同友ひろしまNews

役員研修大学 第5講 共同求人活動 ~全社一丸の会社づくり~

 ■板金屋からメーカーへ
 私は3つの会社経営に関わっています。バスの車体を整備・製造する㈱ヴィ・クルー、バスを販売する㈱オートパル、デザイン・設計などバスをプロデュースする㈱CONNECTです。
 かつては板金塗装やバス販売しかしていなかった会社が、今ではメーカーとして総合的な仕事をしています。この成長は、23年間新卒採用を続けてきたおかげです。
 
 ■地域に若者を残すために
 初めて「経営指針を創る会」に参加したとき、「あなたにとって地域とはどこですか?」と聞かれました。地元の白石市はバス会社がないので、「生活」における地域は白石だが、「事業」においては日本全体だと答えました。マーケットと混同していたのです。白石は消滅可能性自治体です。それまでは白石の人口が減っても、外貨を獲得する会社だから関係ないと思っていました。ですが、若者が減ると消費が小さくなり、商売が縮小し、倒産廃業が起こり、働く場所がなくなると若者が出ていくという悪循環に陥ります。働く場をつくらないと地域を守れないのです。若い人がいなくなれば地元企業には労務破綻が待っています。
 地方自治体は良質な雇用機会が縮小していると言うが、雇用機会はあるのです。問題はその情報が学生に伝わっていないこと。中小企業のことを知ってもらうため、宮城の共同求人・社員教育委員会では学校を訪問し、若者に中小企業について伝えています。良い会社、良い同友会を外部発信しているのです。
 
 ■三位一体の経営を目指す
 経営指針、共同求人、社員教育の同友会の3つの活動が分化しているように感じます。経営指針はつくるがほかの活動はしないというのです。しかしこの3つは互いに関係しています。経営指針で会社の将来を考えるなら人の採用と育成は必要で、共同求人をするには会社の方向性を明確にしなければならず、社員教育のためには教育制度や評価制度が必要になります。三位一体の経営が求められるのです。
 そのために10年ビジョンを作りましょう。最初は大法螺でもいいのです。そして、大法螺10十年後の組織図を組み立てるために、「戦術的(場当たり的)採用」ではなく「戦略的採用」をしていきましょう。
 
 ■雇用のミスマッチをなくす
 採用の過程は、合同企業説明会、会社訪問、インターンシップ、採用試験と段階を踏んでおり、学生が自らの意思で次に進むようにしています。
 ミスマッチをなくすため、インターンシップは1週間かけて行います。社員はインターンの段階で学生に関わっているので、採用をするときも、採用後も学生に真摯にかかわってくれます。また、学生も先輩の姿を見て入社するので、定着につながっています。
 
 ■共に育つ環境をつくる
 自社は社員が自ら考える社風にするために、ボトムアップの組織にしています。また、社内で「違いを認め合う」心を育むために外国人研修生の受け入れもしています。
 給料日には、社員の家族へ宛てた手紙も送っています。家族に仕事を理解してもらうため、働くことについて家庭でも話してもらうためです。
 
 ■「運動」と「実践」の両輪
 宮城同友会の新規学卒者の3年以内の離職率は23%です。人を採用するということは、その人の人生を受け入れること。だからこそ離職率を1割まで下げようと目標を掲げています。宮城の共同求人・社員教育委員会では学校への出前授業や業界を知ってもらうためのガイダンスなど、産官学連携しての人育てに取り組んでいます。共同求人・社員教育とは社会教育運動でもあります。
 また、同友会を良いものにするだけなく、学生に「この会社を選んで良かった」と言われる会社にする。まさに同友会の「運動」と会社での「実践」は両輪なのです。

広島県中小企業家同友会

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