同友ひろしまNews

第10 分科会(見学分科会) 日本一の印刷下請け企業をめざし、社員と共に行動あるのみ

●現状維持から積極経営へ
 
 12年前に私が社長に就任した当時は、とにかく会社の存続を一番に考え、幹部や社員たちに「③年間は現状維持を目標にしよう!」「現状維持が出来たら100点満点じゃ」と話をしていました。
 結果は、何とか3年間売り上げを大きく落とすことなく目標通り「現状維持」が出来ました。(04~06年度)
 当時、社長になったばかりで決算書も読めない素人社長でしたが、お客さんに助けられ、「あなたのお父さんには本当にお世話になった」という言葉をめちゃくちゃ言われたのを覚えています。
 そして目標通りの現状維持ができた事で、次なる目標を話し合いました。
 「まだまだ平均年齢も若い会社なんじゃけー成長を目指して頑張って行こうや!!」という事になりました。
 
●日本一の下請企業を目指す
 
 ここからの数年間が、積極的な設備投資へと舵を切ります。日本一の印刷下請企業を目指し、製作工場に特化した設備の充実、お客様の自社工場の様な存在になることに徹しました。09年からの8年間でプリンター等の設備投資、昨年の新社屋建設まで設備投資は3億5千万円でした。
 それまでは無借金経営を目指していましたので、大きな方針変更です。もちろん積極的な設備投資と同時に、最悪を想定しての資金計画も慎重にしています。結果として、売上金額250%増、自己資本額320%増、簿外資産500%増という状態になっています。
 営業面では、まずは積極的にお客様のところへ挨拶に行く事から始め、これまで電話でしか話した事がなかった人とも、直接会いコミュニケーションをしっかりと取る事で、着実に結果へと結びついていったように思います。
 その成果もあり、08年のリーマンショックの時はそれまでの既存のお客様の売上は軒並み大幅に下がりましたが、新たなお客様の売上がその数字を埋めてくれる結果となり、あのリーマンショックをほぼ無傷で乗り越える事が出来ました。
※大蔵プロセスは、04~06年(現状維持)、07~12年(成長)、13~16年(組織づくり)の過程をたどっています。


 
●自分を変えるため、同友会へ入会を決意
 
 現状維持を目標にし、そして成長へと舵をきり数年がたち、結果もしっかりとついてきたところで、なんとなく、ぽっと踊り場に出たような感覚でした。成長を続ける為に何かをしないといけない・・・漠然とした不安と焦りを感じていたのが当時の心境でした。
 12年末に岸工業さんの社長室でお話をしていた時に、初めてズバッときつく言われた事がありました。
「お前がいつまでも現場にでて、自分の知識や経験をひけらかして偉そうにしとるうちは、お前んとこの会社は成長できん!」「今のままじゃ、20年たってもお前んとこの従業員は変わらん!」
 まさに図星でした。自分自身の人見知りな性格を隠すために、異業種交流会的な会をずっと避けていました。
 年が明けて会社での新年の挨拶のときでした。
「去年、岸工業の社長からこのままじゃ大蔵プロセスは成長できん!と言われました。今年から自分は現場の仕事をしません!」と宣言しました。
 現場責任者には、自分で判断をすることを指示し、その判断が間違ってクレームになった時は、社長が責任をとると伝えました。
 そして、ついに、岸さんが会社に来られて、13年11月に同友会に入会をさせていただきました。
 
●社員と共に行動あるのみ

 ①企業変革支援プログラムで「経営者の責任」を学ぶ
 入会して間もなくの地区例会では、「企業変革支援プログラム」が取り上げられていました。企業変革支援プログラムステップⅠは、自社診断です。全部で22の設問があり110点満点で、48点でした。
 そして今年に2月に別の例会で回答すると49点でした。1点成長できたという事でしょうか。当初よりも認識が変わり下がった箇所もありますが、「経営者の責任」という項目においては、同友会で学んだ事で成長できた部分でした。
 更に社員にも同じ設問を答えてもうことで、社長と社員との意識のズレまでが現実として見えてきます。
  ②経営指針書を作成・実践で社員を巻き込む
 翌14年には、広島東支部主催の経営指針セミナーに参加。年が明けて仕事はじめに経営指針書の発表を行いました。皆、最初はキョトンとして聞いていましたが、終わった時には、「社長の考えが聞けて良かったです」など概ね前向きな感想が出たのを覚えています。
 今では、毎朝の朝礼では経営理念と行動方針の唱和を社員全員で行っております。
 そして各部署には、それぞれ部門個別計画をたててもらうまでになりました。
 少しずつですが、会社を良くする為の行動を、自分たちで考えてくれるようになり社員を巻き込んだ会社づくりの大きな一歩になっているかと思います。
  ③地区例会、同友会大学での学び
 また、私の所属する南②地区会では体験報告が例会の主軸です。新人の私にも順番が回ってきました。
 体験報告の準備の中、創業当時の苦労や先代と母親が作ってきた会社の成長を知る事が出来ました。
 もちろん、自分が代表になってからの数年間を振り返るとてもいい機会にもなりました。
 過去を知ることでそれまでを整理する事ができ、前に進むための大きな力になったという事だと思います。
 また、広島東支部の同友会大学では、全国で実践をされている同友会の仲間や、広島の大学の教授などにお願いをして企業変革支援プログラムステップⅡに関する勉強を実施しています。
 その中のひとつの講座で「就業規則」がありました。
 12年前に社長になったばかりの時に就業規則がない事を知り、ネットで適当に調べて作っていました。
 今回、同じ同友会の仲間の社労士さんにお願いをして作ったのは、就業規則・給与規定・退職金規定・出張旅費規定・慶弔見舞金規定・災害補償規定です。更に労使間の協定として育児・介護休業等に関する労使協定、時間外・休日労働に関する労使協定にも踏み込みました。
 これまで社員と雇用契約書を交わした事がありませんでしたので、改めて全員と契約をかわしました。
  ④人事評価制度の構築
 続いての実例紹介は人事評価制度の構築です。
 これまで、昇給については全て社長の判断基準で上長と相談の上で決定していました。
 しかし、会社組織がしっかりと形成され、社員たちが成長をしてくるにつれて、
「会社はどこを評価してくれているんでしょうか?」
「来期は何をすれば、何を頑張れば給料が上がりますか?」などの質問や意見が出てくるようになりました。
 人事評価制度を構築するにあたって、社内委員会を立ち上げる事にしました。社員を巻き込んで、社員たちが考える評価基準を作る事にしました。
 最初は、「なんの為に評価制度をつくるのか?」から始まりました。そもそも、「どんな会社だとみんなは働き甲斐があるのか?」「その理想の会社を作るには、どんなことが必要か?」などの話を委員会でしていきました。
 この11月には導入の予定です。
 

●家族のような会社づくり
 大蔵プロセスでは、家族のような人間関係を築き、笑顔溢れる会社づくりを目指しています。
 会社の成長と共に組織が大きくなり、部署ごとに強い自己主張や責任転嫁などが起こっていました。
 そこで今期から、同友会的なグループ活動・小組活動をスタートし4つの社内行事を実施しています。10月のキャンプ、12月の忘年会、4月の花見、そして7月の社員旅行です。
 更に今年から始めているのが「ありがとうを伝えよう」プロジェクトです。
 2年前に石川であった青年経営者全国交流会で体験報告を聞いた際に運送会社のお話をヒントにしています。とてもいい取組みだなーと思っていまして、ずっと温めていた企画でした。
 
●学んだ事を即実践
 同友会に入会して四年が経ちました。会社とは何なのかから始まり、なんの為に会社を経営しているのか。
 少しでも会社を良くするためには、何をするべきなのかという事を、たくさんの事例体験報告などで学びました。
 そして、学んだ事をすぐに実践してきました。
 本日は拙い報告でしたが、ご清聴 誠にありがとうございました。

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