活動レポート
2025.03.13

「賃上げについて」福山支部政策委員会

開催日時:
2025/01/07(火)
会場:
事務局
人数:
18名
報告者:
講師:小林弘樹社会保険労務士事務所 小林弘樹氏
文責者:
(株)福山楽器センター 新庄 一貴

この度、政策委員会では「賃上げについて」をテーマに、小林弘樹社会保険労務士事務所の小林代表をお招きし、ご講演いただきました。
賃上げや賃金については、さまざまな事情が複雑に絡み合っており、明確な答えを導き出すのは難しいのが現状です。同じ時間を働いていても仕事内容が異なれば収入も変わるのは当然ですが、その全体を包括して「最低ライン」を定めたものが最低賃金です。

たとえば広島県では、最低賃金が20年前と比較して1.57倍になっています。一見すると、物価の上昇に比例した当然の結果と考えられますが、実際には業種によって事情は異なります。総需要の後退や同業者の増加による競争激化で販売量が減少したり、これまで必要のなかった新たな経費が発生したりといった課題に直面する企業も多くあります。それでも人員数は変えられず、さらには社員の質の向上も求められる――このような厳しい状況の中で、企業は評価されるのです。今の社会は非常に神経を使う環境だと感じます。
こうした背景から、賃金と物価を単純に比較することはできません。それにもかかわらず、「この流れに乗らなければ将来的な企業存続が危うくなる」といった脅迫的な報道や記事が目立つのも事実です。もしこれらが経営者の反骨精神を刺激するための戦略であるならば見事だと感心しますが、そんな「言いなり」にはなりたくありません。
だからこそ、自社が「どうありたいか」「どうなりたいか」という経営指針を明確にし、その理念に賛同し力を貸してくれる社員に「この会社にいて良かった」と思ってもらえる企業づくりが必要だと強く感じました。
経営指針を明文化することは、まさに覚悟を決めることです。この覚悟を持たない経営者には淘汰の波が押し寄せているように感じます。その意味で、経営者に覚悟を促す同友会の方針は非常に的を射ていると実感した勉強会でした。