県総会第2分科会「Human Firstの組織づくり、できていますか?」
- 開催日時:
- 2025/05/22(木)
- 会場:
- リーガロイヤルホテル広島
- 人数:
- 70名
- 報告者:
- パネラー:(有)アビラ 所長 小谷 伸子 氏(広報部長/広島西)・シンワ(株) 代表取締役 太原 真弘 氏(広島西支部長)、 コーディネーター:ビーエルシー.(株) 代表取締役 石田 美子 氏(女性部連絡協議会会長/広島東)
- 文責者:
- 事務局 大塚
■広島西支部で進んだ女性参画

西支部では、現在女性理事の比率が30%近くに達し、女性会員の活躍が目覚ましい成果を生んでいます。しかしかつては、女性部役員の選出が困難なほどに、活動している女性会員が不足していました。そのため小谷氏は約10年前に女性部副会長として西支部へ移籍しました。その際に、①支部と女性部会をつなぐこと、②女性会員の例会参加を促すこと、③新規女性会員を獲得することを目標に移籍しました。
はじめに女性部会員を増やすために他支部にも協力してもらい女性会員を少しずつ増やしていきました。そして女子会定期開催の恒例化で懇親を図りました。困ったことや話しにくいことも女子会で相談ができる場を作りました。親睦が膨らむことで、女性会員が地区例会で体験報告の機会が増え、参加率も高まり、地区・支部と女性部会がつながったと実感することができました。
さらに「やってみたらいいじゃん」という支部風土が背中を押し、女性会員が主体的に役割を担うようになりました。支部理事会でも、遠慮なく意見が言える雰囲気が醸成され、女性たちは“助手席”ではなく“運転席”に座るようになりました。
■企業で起きた多様性による変化

広告制作や印刷業を営んでいる小谷氏は、高齢者や障害者、就労支援を受ける方々と共に働く中で、社内文化が変わってきたそうです。かつてはデザイナーが1つの仕事を請け負う形でしたが、今では細分化して、“できるところをできる人がする”という風に変えることで、仕事を俯瞰してみる習慣や助け合う心や共同で取り組んでいこう雰囲気が出てきました。
ホテル用の使い捨て歯ブラシなどを卸し専門総合商社を営む太原氏は、取締役として奥様の参画をきっかけに、トイレの洋式化や社内環境の見直しが進みました。以前は男性ばかりの職場で和式トイレに違和感を持つこともなかったそうです。女性社員が増える中で「和式トイレのままでは女性は働きづらい」という率直な指摘により、固定観念が崩され、大きな気づきとなりました。
■理事会の改革で“人の声”を活かす
支部理事会でも組織風土の改善に向けた具体的な改革が進んでいます。その一つが「一人1分間スピーチ」です。全ての理事が必ず一言発言する仕組みを取り入れたことで、発言機会の偏りをなくし、互いの人となりを知る場が生まれました。
また、支部理事会の開催時間を前倒したり、ペーパーレス化を勧めたりすることで、様々な事情や意見を尊重して、より参加しやすい環境へ変化しました。
さらに、障害者雇用など地域共生をテーマとした例会の開催も実現しました。「目の前にいるのに、気づいていなかった人たちの存在に目を向ける大切さ」を全員で共有する場となりました。

■“HUMAN FIRST”から生まれる持続可能組織
「女性会員が増えると組織の雰囲気が変わり活性化するという単純な問題ではありません。
多様な視点で誰もが声をあげることができ、挑戦できる環境が育まれることで、人を大切にする風土、受け入れる風土が醸成。これこそ“HUMAN FIRST”を原点とする、サスティナビティ社会、組織の実現と考えます。