県総会第1分科会「行動することで見えてきた未来志向の企業づくり~頼まれごとは試されごと!ハイかイエスか喜んで!~」
- 開催日時:
- 2025/05/22(木)
- 会場:
- リーガロイヤルホテル広島
- 人数:
- 98名
- 報告者:
- (有)榮成興産 代表取締役社長 板垣 多一 氏(広島東/県地域共生副委員長)
- 文責者:
- 事務局 橋詰
■自己紹介、自社紹介
1970年広島に生まれました。専門学校卒業後はサラリーマンをしていましたが、家業を継ぐために戻り、2017年に社長に就任しました。
弊社は住宅建築・リフォーム・リノベーションの他、障がい者グループホームの建築・運営を行っています。
■親亡き後、工務店ができることは?
当時主な業務の一つだったリフォームの市場は縮小の傾向にあり、新築着工数は徐々に少なくなると予想されていました。倒産リスクの影がちらついていたのです。
そんな中、運命の転機が訪れます。放課後等デイサービス施設の改修工事を行った際に、様々な特性と背景を持つ子どもに出会いました。この子たちは親亡き後、どう生活をするのか。工務店ができることは何か…。真剣に考え始めました。そして、「工務店としてできることは、いつまでも安心安全に過ごせる場所を作ること」と考え、新事業へ挑戦することを決めました。

■頼まれごとは試されごと
障がい者グループホーム関連事業は、ブルーオーシャンでした。広島市の人口は横ばいにもかかわらず、障害者手帳を持っている人は増えています。さらに、広島市はホームの供給率が少なく、待機者がいることが窺われました。そこで、障がい者グループホームの新築供給を柱とすることに方針を定めました。
実績がなければ説得力がないと考え、自分で土地を取得してモデルハウスを建築。実際の建物を見ていただくことでイメージを持ちやすくなり、建築等の相談が徐々に増えていきました。
さらに、「運営会社がいなくなったらどうなるのか」という相談をもらうようになりました。これは、自社の可能性を広げるチャンスと感じ、運営にもチャレンジしています。「頼まれごとは試されごと」です。満を持して、自社の運営するグループホームが完成しました。絶賛運営中です。
グループホームに取り組んで、三つの強みが新たにできました。1)豊富な経験。2)専門知識。3)地域密着。2020年度には広島県では供給戸数でシェアナンバーワンになりました。
■同友会の活動がもたらす広がり
本格的にグループホーム事業を始めるきっかけには同友会の地域共生での学びも大きく関わっています。誘われてたまたま参加した地域共生委員会で、障がい者を取り巻く問題を深く知ることができました。

工務店はハード面の貢献はできますが、実際に暮らすためにはソフト面の充実が不可欠です。学んだ知識と同友会のネットワークによって、ソフト面をお願いできる運営会社等と出会うことができました。信念と情熱を伝えることで、共感の輪が広がったのだと実感しています。
■最後に
社会情勢は不安定です。こんな時こそ、自社を見つめ直し、できることを見つけ、突き進み、突き進む過程で企業づくりを進めることが大切だと思います。
これからも同友会の三つの目的に向けて、学びあい・支え合いながら企業活動を進めていきたいです。
<会社概要>(有)榮成興産
設立:1988年10月21日 資本金:300万円
従業員数:27名
事業内容:総合建設業及び不動産取引業及び福祉事業
会社HP:https://www.shigenari-k.com/