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三原支部四月例会 『社長がアホでも、社員が育てば会社は回る』

報告者:㈲共楽堂 代表取締役  芝伐 敏宏 氏

 共楽堂のコンセプトは「旬果瞬菓」。旬のフルーツの美味しさを最大限生かしたお菓子づくりです。一番の商品は、夏の商品「ひとつぶのマスカット」。岡山の専属農家で栽培されたアレキサンドリアを求肥で巻いたお菓子です。
 秋は、愛媛産の栗を使った「ほくほ栗」。栗でつくったスィートポテトのようなお菓子です。冬は「柿中柚香(かきなかゆうか)」。あんぽ柿の中に、甘酸っぱい柚子あんを詰めました。春は、「大いちご大福」。特大いちごを使った大福。見た目も味もインパクトのあるお菓子です。他にも、旬の素材を生かしたお菓子を三原で製造し、主に東京で販売をしています。

危機脱出は行動あるのみ

 共楽堂は、祖父が昭和8年に始めた菓子屋で、当時から続くのは、「即席あめゆ」。「ひとつぶのマスカット」は、昭和54年に「やっさ祭り」として販売をスタート。夏のお菓子だったので、三原の夏祭りの名前をつけました。
 私は、跡継ぎという意識はあまりなく、大学も経営学部でした。しかし、卒業後は1年間、プリンスホテルで洋菓子を学び、その後、三年間、京都で和菓子修行をする予定でしたが、「すぐに戻れ」ということになり、和菓子の修行はせず三原に帰ってきました。
 社内は悲惨な状況でした。材料代の支払いは遅れ、社員から預かっている社会保険料も支払いに回していました。
 とにかく売らなければと思いました。「人の少ない三原だから売れない、それなら人が多い東京で売ろう」あれこれ考えている暇はなく、行動あるのみ。ほんの小さなツテをたどり、デパートに飛び込み営業をかけました。すると「催事」ならOKという話を貰い、東京での販売がスタート。「やっさ祭り」では商品が認知されないので「ひとつぶのマスカット」に名前を変え、売りまくりました。
 複数のデパートで催事を行い、やがてその販売実績が認められると、デパ地下への出店ができるまでになりました。今後は駅ナカや他の商業施設など、店舗展開を広げていく予定です。

幸せづくりが理念の原点

 この難局を乗り越えることができたのは、厳しいときに目にした千件の顧客名簿でした。もし、共楽堂がなくなったら、お客様に小さな悲しみを与えてしまう。それが千人分あつまれば、人を殺してしまうほどの罪になるのではないか。もし、共楽堂のお菓子で小さな幸せをお客様に届けることができれば、千人万人の小さな幸せをつくることができる、それは人一人の命を救うほどの価値があるのではないか、そう考える事ができたからです。
 同友会の経営理念や経営指針のセミナーでできた経営理念は、まさにこの思いをまとめたものになりました。

 経営理念「私たちは食べ物を通じて、できるだけたくさんの人に小さな幸せを感じていただき、それを通して私達自身も幸せを感じることができるよう努めます」

社員の成長が会社の成長

 東日本大震災を機に「地元への貢献」を考えるようになりました。広島でつくり広島で売る商品をつくりたいと社員と一緒につくったのが「広島チョコラ」です。広島駅への出店やさらに付加価値を高めLECTへ「広島チョコラボ」を出店。広がりを見せています。
 これを支えてくれているのは社員です。五年前、新卒で採用した製造部三人の新入社員は、全員七月を超えられず辞めてしまいました。マスカットの繁忙期で、毎日遅くまで残業が続いたこと、何より新卒を迎える体制が整っていなかったことが原因です。
 残業に頼らない仕組みづくり、私も含めた社員間コミュニケーションの充実、「学習機会の提供」を奨励し、みんなで同業者や材料の納入先の見学をしたり、資格の取得や個人的な見学視察の要望も全てかなえています。
 社員の成長が会社の成長であることを実感しています。働くことが楽しくて、社員が成長していく会社づくりをこれからも進めていきたいと思います。

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