同友ひろしま/2018年/8月/News

広島西支部オープン例会 相続税・贈与税ゼロでの事業承継 ~知っていましたか? 4月施行の最新税制

講師:税理士法人 若宮&パートナーズ 代表社員  若宮 克彦 氏

 7月26日、西支部オープン例会では、事業承継をテーマに今年度改正された税制改正についての講演が開催されました。

■画期的な税制改正

 これまでの税制では、事業承継において相続税、贈与税が高くつくことが経営上のネックとなっていました。利益を出しすぎるとまずいから、株価を上げすぎない取り組みなどがありましたが、それが必要なくなるほどに画期的な税制改正がありました。具体的には、自社株を贈与された時の贈与税は贈与者(先代経営者)の死亡日まで全額納税を猶予され、さらに猶予された贈与税は先代経営者の死亡で免除されます。通常なら亡くなると相続税を払うことになるのですが、株に対する相続税は後継者が亡くなるまで猶予されます。つまり、贈与税も相続性も払わなくてよくなったのです。今までは、一度に全て贈与すると莫大な税がかかるために、10年20年にわたって少しずつ贈与していましたが、その必要がなくなりました。

■中小企業のための税制

 なぜこんな画期的な税制ができたのか?それは、中小企業経営者の高齢化により廃業数が増え、日本の経済を支える中小企業が無くなってしまうと危惧し、事業承継においてネックだった高い相続税を排除したのです。
 これまでの税制と違うのは、税額の一部猶予が全額猶予になった点や承継後に雇用を確保し続ける必要がなくなった点などがあります。
 ただし、この税制は期間限定です。事業承継計画を平成35年3月31日までに県に提出、自社株贈与を平成39年12月31日までにすることが条件となります。これは、経営者に早く世代交代してもらうためです。また、先代経営者以外からも同時に贈与を受けられます。

■よく考えて取り組もう

 一旦猶予を受けると、免除されるのは死亡時であること。M&Aや合併が考えにくくなる。先代経営者は代表者を辞任しなければならない。また、後継者が代表者にふさわしくないとしても、5年間は代表者変更ができない。この税制は期間限定で、10年後にもっと良い制度が出る可能性もある可能性があるなど、リスクも孕んでいます。
 また、この税制を受けるには、先代経営者や後継者の条件、適用対象の会社かどうかも注意しなければなりません。
 事業承継をしようとしていたが、先代経営者が死亡した場合にも、場合よっては税制の適用を受けることができます。

■次につながる事業承継を

 提出期間は5年間です。提出後に贈与しなくても罰則があるわけではないので、事業承継をやるかやらないか分からないにしても、とりあえず承継計画を提出してみてはいかがでしょうか。
 この税制において、贈与者は先代経営者に限定されていません。同時に配偶者や第三者から贈与を受けても、贈与税はゼロになります。
 今回お話ししたのは税金のことだけですが、事業承継は税金だけではありません。取引先や従業員、金融機関などの関係が大切です。引き継いだ会社がうまく次につながっていくことが目的なのです。

■感想

・税が免除されると聞き、利益をどんどん上げていきたくなりました。
・事業承継について考えるきっかけになりました。自社の価値がどれだけあるか知って、とりあえず計画書だけは出そうと思います。
・そもそも後継者をどう育てるか、どう引き継いでいくかなど、根本的に会社をどうしていくかを考えなければなりません。
・メリットもあるがデメリットもあるので、金融機関や税理士と相談しながら考えていきたいと思います。
 

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