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「なりゆきで障害者雇用 考える前にやっちゃったけど… ~思ったより簡単!?でもなかった私の失敗談~」福山支部

 10月19日・20日、福山市で開催される第19回障害者問題全国交流会in広島(福山)の準備が進んでいます。他県の同友会へのPRとして、5月27日には岡山同友会総会でPR活動を行いました。
 また、県内各地で障害者問題をテーマにした学習が進んでいます。今月は、福山支部のバリアフリー委員会、県障害者問題委員会での学習会で報告された㈲三福林 田川社長の体験報告を紹介します。
 
【報告要旨】

 当社が障害者雇用をするきっかけになったのは、ハローワークから聴覚障害者の雇用を相談されたことでした。面接をするとジェスチャーでも意思疎通が出来たので、すんなりと採用を決めました。
 よく障害を持つ方は仕事があるだけで幸せだと言われていますが、私はもっと彼に生きがいや仕事のやりがいを感じてほしいと思い、彼に部下をつけることにしました。
 部下をつけると約束したものの、特に当てはありません。そこでバリアフリー(障害者問題)委員会に参加することにしました。そこでは特別支援学校の企業訪問バスツアーの話になり、私もよくわからないままツアーを受け入れることになりました。
 バスツアー後、学校から職場実習に来たT君は、自己表現が出来ないと聞いていましたが、自分の意思を伝えることもでき、一度教えたことはきちんと守れました。急な変更に対応できにくい点はありましたが、彼が仕事をしやすい方法を考え、2016年の4月に晴れて入社しました。

 実習中は問題なかったのですが、実際に働いてみると、集中力が途切れることがありました。ある朝、会社の電話が鳴りました。相手は近所の派出所で、T君が道に迷ったというのです。その翌週も、また同じ派出所から電話がかかってきました。今度は友だちとケンカし、仕事なんてできない、と言っているそうなのです。この間、彼の家族から辞めさせてほしいと言われましたが、私はすぐに辞めさせませんでした。彼に対して家族の協力が得られないと、この先、彼にとって為にならないと思ったからです。
 しかし、あまりにも頻発したので、私も諦めてしまい、結果として彼は退社しました。現在、彼は作業所で働いています。今でも彼は何かあると電話してきて、いろんなことを話してくれます。
 実は「もう一度、三福林でやり直したい」と言う彼に、いまの作業所を1年間、無遅刻無欠勤で頑張れたら戻ってきてもいいよ、と約束しました。他の社員も彼のことを気にかけていて、私との約束に驚きつつ、戻ってきたらうれしいね、なんて話しています。彼は約束を忠実に守り続けていて、最近、少しプレッシャーに感じています(笑)。その一方で、彼が作業所でもリーダーになりつつあり、本当に復帰することが彼の為になるのか、作業所で働く方が彼にとってはいいのではないか、と思う気持ちもあります。
 今年の春、同じ福山北特別支援学校から1名入社しました。T君とはまた違うタイプで、自己表現が少し苦手ですが、力仕事などは率先して動いてくれています。社員の得意・不得意なことを把握することも大切ですが、その社員が何を感じながら働いているのか、経営者が知ることも大切だと学びました。
 かつて自己表現が出来ないと言われたT君が少しずつ成長しています。彼の採用は単なる失敗だと思っていません。彼と私は、お互いに成長しているんだと思います。
 障害者雇用を考えたとき、自社ではできない、危険だと思うかもしれませんが、意外とそう思っているのは企業側だけかもしれません。まずはやってみることで出来ることもあります。みなさんにもぜひ、挑戦していただきたいと思います。

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