同友ひろしまNews

経営指針でV字回復 「小さくても強い会社」「人に役に立つ会社」「大型店の価格で!専門電器店の高い技術と心暖まるサービス!」の実践をめざす

 近藤 愼二 氏

■身の丈に合わないことを夢見て失敗

 ㈱こんどう電器は、昭和31年創業の家電小売店です。福山市の商店街の中にある、小さな電器屋さんです。近藤社長さんは2代目。しかし決して順風満帆な道のりではありませんでした。
 創業者は時代の波にものり、順調に成長をしていました。26才で自社に帰り、35才で社長に就任しました。しかし大型店やディスカウンターの市場シェアの拡大の状況から「家電店の将来に対する不安を抱き、別業態への転換と競争のないオリジナル商品を開発し全国展開する夢を抱き行動していた」と述懐します。当時ヒットした商品を全国展開する会社の常務になったり、大手電機会社の総代理店になったり…。その収入は会社に入れていたものの、家業である電器店よりも新業態開発に時間を使っていました。そのため電器店は赤字体質に。ついに平成13年には債務超過に陥りました。電気店をたたんで、全国の会社に行くか、あるいは電気店を続けるか、選択を迫られました。
 
■引き戻してくれた二つの出来事

 そんな近藤氏を電器店に引き戻してくれたものがあります。その1つが、夢に多くのお客様が現れたことです。「あのおばあちゃん、電球切れてないかな」「あのお客様どうしてるかな」…。
 もう1つは、社員さんの言葉。債務超過の時「どこでも行きたい会社があったら、社長が頼み込んで入社させてもらうから」と語ったところ、「1日考えさせてください」と言った2人の社員さん。翌日、「社長、もう1度頑張って、会社の借金を返しましょうよ」と語ってくれたのです。その時心に火が点きました。
 
■経営指針作りに取り組む

 本業である電器店1本に専念する決心です。経営再建のため2つの勉強会に半年間通い、赤字の止め方を学びました。平成15年に同友会に入会し、さっそく経営理念セミナー、経営指針セミナーに参加しました。
 理念セミナーでは、社員と一緒に経営理念を考えました。「『あの店があって良かった』と言って頂ける『人と環境にやさしい感動店』づくり」です。分厚い経営指針書も完成させました。電気店の求められる役割を、徹底して追求しました。すると翌年、黒字に転換。以後14年連続黒字で、現在の自己資本比率は50%を超えています。
 「理念は、後に丸山先生のセミナーを受けて、福利理念(社員さんに対する理念)がなかったことに気づき、『物心両面の幸せ』を加えました。指針は分厚いのは説明も理解も難しいと思い、どんどん簡略化して、現在はワンシートになりました」と近藤氏。「昨年、社員さんに子どもが生まれたのを機に、丸山先生のセミナーに一緒に参加しました。彼の子どもが22才になるまでは現役でやるぞ、と決心し、フィットネスクラブに行くようになりました」と語ります。
 
■第1次商圏のシェアにこだわる
 
 当面の目標は自店周辺の約2万人の人口のエリアで、シェア11%を達成する事。先代から培ってきた強い信頼関係を武器に、それを広げる活動に余念がありません。「エディオンと提携し、安さの対策は出来ました。そこでイベントを自店で開催し、お客様の来店を増やしています。また女性社員さん達が、近所にチラシを手配りしたりポスティングをしたりしてくれています」。もちろん電球1個からの交換にも対応。地域の信頼を集める努力を続けています。増改築にも対応できるよう、一般建築業の免許も取得。「電器屋!便利屋!こんどう元気!」がキャッチフレーズです。
 
■社員さんを大切に

 「私が収益に目が向きすぎると、社員さんから『社長、その方針は、経営理念である、あの店があって良かった、に立脚しているでしょうか』と素直な意見が自由に出て来ます。大事な社員さん達です」と近藤氏。
 社員さんは定時より早く出社すると、その分は残業としてカウントされます。家族ができると、できるだけ家族と過ごせるように、定時に退社できるように配慮を怠りません。「一緒に学び、成長していける会社にしたいですね」そして「10年ビジョンを確立するため『ひろしま経営指針塾』受講を決意しました」と語っています。

 
【企業概要】 創業昭和31年。家庭用電気機器、通信機器、事務用機器の販売・修理・保守業。社員数6名。年商1億円。

 

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