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広島4支部求人社員教育委員会 勉強会 障害者雇用から学んだ経営者の責任 ~人の一生に責任を持つ覚悟ができているか~


報告者:㈱山陽タオル 代表取締役  橋本 正治 氏
(広島西支部)

 私はおしぼり、美容院やスポーツクラブのタオルなどのリースやクリーニングをしている山陽タオルのほかに、NPO法人広島自立支援センターともにという福祉事業をしています。現在4つの就労継続支援A型事業所とグループホームの運営をしており、利用者が70名、支援員が20名の計90名です。
 
■障害者にも仕事はできる
 障害者雇用と言うと、敬遠する人が多い。そこで障害者が働けないと思う理由についてアンケートをしたところ、付き添いが必要だから、包丁を使うから、複雑な仕事ができないから、など色々な回答がありました。しかしこれらの考え方は障害者への認識力不足が原因です。包丁を持たせるのは危ないと言う企業の方もいるが、長崎の佐世保ブロイラー㈱では、20人の障害者が1日に3千羽のチキンをさばいています。障害者は戦力になるのです。
 経営者の課題は、障害者に接する機会が少ないことです。だからどんな仕事ができるかわからない。その解決法は、まず雇用して、普通に接することです。ジョブコーチの活用などもあります。
 大切なのは、障害者の得意分野を見抜いて適切な業務と結びつけることです。
 自社では、仕事の流れを区切って単純化しています。一度に全ての工程は覚えられません。単純化して、1工程ずつ覚える。時間をかければ実力がつくのです。何よりもコミュニケーションをとって信頼関係を築くことが基本です。
 それでもわからないことがあるときは、全重協を頼ることで問題解決の一助となるでしょう。全重協とは、障害者雇用に取り組む事業所約320社が会員の、障害者雇用における諸問題を解決するための相談等を事業とする公益法人です。広島には、㈱広島情報シンフォニーに相談所があります。
 
■絶対に解雇しない
 平成23年に会社が全焼しました。多くのお客様が心配してくださり、その時「せっかく利用者がこんなに良い商品を作ってくれるまで育ったのだから、絶対会社の都合で解雇しないで」と言われたことが印象に残っています。
 保護者に、「絶対に解雇しません。その代わり半年待ってください」と言い、ワークシェアリングを行うなど試行錯誤しながら、9カ月後に完全復帰しました。心配していただいたお客様から新たにお客様を紹介していただき仕事が増えたので、さらに障害者雇用をいたしました。
 
■こだわりを持ち仕事をする
 商品であるおしぼりやタオルをクリーニングしたものは汚れやしみを確認しながら、4隅をきっちり揃えてたたむようにしています。エンドユーザーのことを考えて、お客様の手を煩わせないようにしているのです。きっちりと揃えるという利用者のこだわりが仕事につながり、役立っています。
 
■施設から一般就労へ
 利用者を一般企業に就職させるとき、一般企業に対して「雇用してください」と頼むのではありません。1か月面倒を見てみませんか?と預けるのです。実際に一般就労してみると、企業の人も障害者の働きぶりに感心します。
 就職したらおしまいではなく、時折様子を見に行き、企業の方ともお話をします。そうやって居場所を作っていくのです。
 
■社員の人生に責任を負う
 昭和56年に入社した障害者の女性が平成5年に退職しました。しかし平成23年にまた雇ってもらえないかと連絡がありました。話を聞くと、結婚して子育てが落ち着いたから再就職をしたかったとのこと。私は子供を育てながらも働こうとする姿に感激し、この女性から始まった障害者雇用に何か縁があると感じ、今に至ります。
 人生とは、人と生きるということです。社員と共に生きるのだから、親身に考えよう、問題を引き受けようという覚悟を持つべきだと思います。

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