同友ひろしま/2020年/7月/News

■コロナの中で頑張っています 「コロナ禍で花火師に今できる事 」㈱牛尾煙火製造所  牛尾 彰彦 氏

 6月1日、新型コロナの収束を願う花火が全国200ヶ所以上で一斉に打ち揚げられました。呉ポートピアパークでは、創業113年の牛尾煙火製造所が75発の花火の打ち揚げを担当しました。同社は2年前に西日本豪雨災害で被災され、今回のコロナ禍では、イベントが軒並み中止で仕事が激減。豪雨災害からどのように復旧し、コロナ禍ではどのようなモチベーションで経営されているのか等を伺いました。

■花火で今できること

 今回のイベントの参加のきっかけは、「今やっていることで、何か出来ることはないか」との思いからでした。  一説によると花火大会は、江戸時代に水神祭で悪疫退散祈願を目的として打ち上げたことが起源ともいわれています。コロナ禍で苦しんでいる今がまさにその時で、社会貢献という意味でも参加するしかないと思いました。
 また今回打ち上げた天応や小屋浦は西日本豪雨災害でも特に被害の大きかった地域です。こんな時だからこそ、上を向いてほしいという思いもありました。
 自社もイベントの中止に伴い、久しぶりの花火の打ち揚げでした。花火づくりをしていないと花火業界自体も廃れてしまいます。そんな意味でも今回の企画には意味がありました。  

■西日本豪雨災害

 2年前の西日本豪雨災害では、川が氾濫し、倉庫6棟や火薬保管庫四棟等が浸水する大きな被害を受けました。道も崩れて搬入・搬送もできず、夏の日差しで、腰の位置まで流れ込んだ土砂は、徐々に固まっていきました。
 途方に暮れていたそんな時、同友会の仲間30名が有志で来てくれて、何とか復旧できました。感謝しかありません。  

■新型コロナの影響

 豪雨災害までの売上を百だとして、翌年には約6割まで回復していました。
 しかし、新型コロナの影響でイベントは軒並み中止を余儀なくされ、売上は1割まで落ち込み、今後もどこまで落ちるのか分かりません。
 豪雨災害の時はむしろ頑張ってイベントをしていこうという雰囲気でしたが、今回はそうはいきません。
 4月26日から休業していますが、雇用調整助成金の申請を行い、社員の給料は満額支給しています。一方、経営者は補償の対象外なので厳しい状況です。

■会社を存続させる理由

 元々は大手IT企業のサラリーマンとして働いていましたが、先代の父の体調不良をきっかけに、会社を継ぐため広島に戻りました。先代たちが夢枕に出てきてくれないかと思うほど、何度も悩みぬいた末の決断でした。だからやめられないというのもあります。
 最近、花火師になりたいという夢を持った若い社員が入ってきてくれました。中小企業はちっぽけな存在だが価値がある。がんばっている社員がいる。これは大手を辞めて初めて気づきました。一蓮托生。ここに集まってくれる社員のためにも、やめるわけにはいきません。  

■この仕事で最高の瞬間

 今回のイベントのテレビ取材で、花火に感激されている人の姿を見ました。毎年行うやっさ祭りでは、観客の中で人の感動を肌で感じられます。良かったら歓声で応えてくれる。この仕事はちゃんとやっただけ、人に喜んでいただける仕事だと思います。そういう瞬間にやりがいを感じます。  

■今後の展望

 先は全く見えませんが、このままこの気持ちを忘れず、せっかく同友会企業なので、「よい会社をつくろう、よい経営者になろう、よい経営環境をつくろう」を実践していきます。社員に還元し続けて、この会社で働きたいと思えるような会社にしたいです。そして、社員との絆を深め、丁寧な仕事をして、信頼される企業になりたいと思います。

広島県中小企業家同友会

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