同友ひろしま/2020年/10月/News

更新日2020.10.20

「自社の強みをコロナの中でさらに磨いた経営戦略 ~メインターゲットは『40歳A子さん』~」広島中支部9月例会報告要旨

報告者:㈱くるま生活 代表取締役  井上 康一 氏(福山支部)

■お客様は誰か?

 同友会に入会して、丸山博先生の経営指針成文化セミナーに参加しました。そこで問われたのが、「あなたのお客さんは誰ですか」。当時の私は、「そりゃあ、福山市とその近辺の、運転免許を持っている人全員よ」と思いました。ところが、車の販売で一番大事にされる数字、つまりリピート率がどんどん下がっている。片腕にと頼りにしていた社員が退職する。これはなんとか考えなければ…と思って取り組んだのが、自社の強みの分析です。  

■40歳A子さんの理由

 当時の社員構成を考えると、女性が比較的多かった。社員の平均年齢は37歳で、明るく爽やかな接客ができる。トイレは男女別になっていて、キレイ(だから業界の女性スタッフは必ず我が社で用を足す)。店内も明るくて、入りやすい。そのせいか、お客様も女性が多い。  今後を考えれば、購入決定権は女性が持っている。女子会やお一人様女子なども増えるだろう。禁煙や除菌がトレンドになる。
 だったら40歳のA子さんを仮説としてターゲットにしよう、こう考えたのです。
 イメージは、PTAで活動しており、ママ友とランチを食べる、スマホを活用している…こうした方々が、仲間のママ友に紹介してくれる。来店されたときに、必ず我が社で買って頂けるようにしよう、という戦略です。  

■戦略にあわせて戦術展開  

 戦略が定まれば、あとは社員がどう戦術展開するかです。購入頂くための店づくり、雰囲気づくりに取り組みます。外からの見え方、店内の色使い、そろえる雑誌、トイレ、通信、テーブルとイス、ユニフォーム、ネームプレート、ボールペン、ホームページ、SNSの活用、きれいな工場内…そうしたもののアイディアを出し、一つずつ改善を積み重ねていきました。  

■絞り込みが大事な理由  

 我が社は昭和10年頃創業しました。当時は商店街に自動車さんはウチしかありません。「どこかに車屋あるかね」と問われれば、「みずしま自動車(同時の社名)があるよ」と、なったはずです。
 ところが同業他社が出現します。そうすると、人によって紹介するところが分散します。それはそれぞれの方の好みやこだわりです。そのこだわりに応えられる特長や特徴の無い会社は、口コミにならないのです。  

■戦略決定の効用  

 戦略が明確になることの最大の効用は、軸がぶれなくなることです。リピート率はかなり回復しました。それまで不特定多数のために出していたチラシ代は要らなくなりました。少ない経費を集中的に投入すべきポイントも見えてきます。取り組みの方向が明確になることで、社員さんの工夫や自主性も発揮しやすくなります。結果的に、トライ&エラーの場当たり経営から解放されます。  

■コロナの中で機敏に対応  

 コロナ禍を迎えたとき、最初に行ったのは、会社の存続を図ること。金融機関に素早く交渉し、半年分の運転資金を確保しました。
 一方で、経営指針の中にBCPを盛り込んでいましたので、その延長線上で、ウイルス感染対策をしっかり行いました。経営指針を共有しているおかげで、対策はすぐに浸透しました。  

■お客様の「事」を見つめる  

 お客様の大多数は、「車」が欲しいのではなく、「車」を使って行う「事」や「生活」が欲しいのです。社名はここから来ています。私たちはお客様の本当のニーズをつかむように努力しています。当然、我が社の戦略軸は「四〇歳A子さん」だけではありません。しかし、軸をぶらさないように気をつけています。
 我が社が全面的に上手くいってい40る訳ではありませんが、一つの事例として取り組みをお話ししました。

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