同友ひろしま/2022年/1月/News

「地域と共生する為に自社が輝く為の取り組み! ~トーホー㈱が行っている実践事例発表~」

報告者 トーホー㈱ 代表取締役 山仲 巌 氏(広島安佐) 

■間伐材のSDGsバッチ

 トーホー㈱は創業七〇年服飾材料や手芸材料に使用されるビーズの販売・製造、ビーズにまつわる企画の運営などを行うグラスビーズ製造メーカーです。ビーズ製造を行う工場は、広島市安佐北区の大林地区に所在していますが、近年この地区では間伐材の放置が問題となっています。間伐材とは森林での密植状態になるのを防ぐために伐採された木材のことで、放置された間伐材は様々な環境問題を引き起こしています。広島豪雨災害の際には川に詰まり、住宅や畑などに流れ込んだりするなど、地域に甚大な被害をもたらしました。
 トーホー広島工場が、大林地区に設置されて六〇年。地域に育まれてきた我が社が、地域のために出来ることは何かと考え、里山の再生を図る大林間伐材再生研究会と連携し、間伐材を使用したSDGsバッチを作ってみようということになりました。
 このバッチは間伐材に当社のビーズを埋め込んで作られたものです。大林が抱える地域課題について知ってもらいたい、里山環境保全活動に共感を覚えてもらいたい、という想いで一つ一つ手作業で制作しています。  

■障がい者の活躍する機会を

 ある時、インスタグラムを通じて、Stand firmという事業者(ここでは障がいや難病を持つ方がアクセサリーのデザイン、生産、販売に至るまで全てを行っている)から当社へ材料の供給についてのご相談がありました。お話を聞くと、Stand firmでは働く方がそれぞれの特性にあわせた技術を学び、訓練していくことで、独自のデザイン性やクオリティを伸ばしていくことができるという考えを大切にしているそうです。当社はその想いに共感を覚え、その事業者と共同ブランドを始めることにしました。トーホーがビーズを供給し、就労されている方がジュエリーのデザイン、組立を行い、そしてトーホーが共同のブランドとして販売店に卸すという方法で事業を始めました。販売モデルを確立することで、継続的にStand firmと自社が収益を得られるようにしました。私はSDGsを達成するためには、活動を「継続できるコト」にすることも大事なことの一つであると考えています。
 これからも「みんなで豊かになろう!」という言葉を大切に、地域と企業の共生を図っていきたいです。そして地域から必要とされる、そのような企業を目指していきたいです。

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