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2025.10.23

「規格外の未来を描け!~尾道から世界へ~」尾道支部例会

開催日時:
2025/09/19(金)
会場:
尾道市役所
人数:
229名
報告者:
講師:(株)瀬戸内百姓 代表取締役 山岡 由明 氏
文責者:
事務局 保田

尾道支部9月オープン例会は、企業価値に対する発想力や事業実現に向けた行動力を学ぼうと企画されました。規格外の農作物の存在をチャンスと捉え、地域性を重視したブランディングをされている (株)瀬戸内百姓 山岡由明氏を講師に迎え開催しました。当日の講演要旨を報告いたします。

私は大学卒業後、府中市でサラリーマンをしていました。退職後、友人と共に大阪で人材派遣会社を起業。2020年に地元広島へ戻り、2021年に尾道で㈱瀬戸内百姓を設立しました。私自身、尾道が好きで事業を始めたので、この場所で稼ぎ、どんどんと事業が拡大できることを証明し、若い世代に起業したいという想いを持ってもらいたいという気持ちが根本にありました。
 自社では「怪獣レモン」というブランドを持っています。グループ会社と一緒にレモンの仕入れを行い、「怪獣レモン」を使用した商品を企業へ提案し、前例のない中で利益を上げ続けています。
起業する際、農産物・一次産業に関わることがしたい気持ちがあり、外見に傷があるため通常販売ができない規格外のレモンが安値で取引されていることに着目しました。

商売の基本は安く仕入れて高く売ることですが、高く仕入れて高く売ってみようと思い立ちました。そこに何かしらの付加価値をつけ販売し、お客さんに納得して購入いただけるような展開をつくることで皆んなで儲けを受けられるようにしたいと思い、「怪獣レモン」が誕生しました。

怪獣レモンをどう売り出していくか、まずは、恐竜であれば世界でも3本の指には入る福井県立恐竜博物館(年間来場者数100万人)で、ゴールデンウィーク中レジ前に展開していただきました。1つ1,080円で販売し、結果、売上は0でした。その後、尾道市向島にある後藤鉱泉所さんへコラボ商品「怪獣サイダー」の提案をさせていただきました。このサイダーを皮切りに様々な企業さんとお取引させていただけるようになりました。
最近は、商店街のテナントをお借りし、市場で仕入れた野菜の販売を行ったりしています。儲かりはしませんが、多くの気付きがありました。「商店街からスーパーがなくなってしまったから助かる」とお声をいただいたり、こういった経営をしているからこそ、面白いなと声をかけてくださる方もいます。何か行動を起こすことで人との出会いができると実感しています。

日頃から、打率は意識せず、とにかく打数を意識しています。商品の営業をする際も、まずはアタックし、その時は駄目であっても日を改めたり、取引していただきたい気持ちがあるのであれば続けて営業します。それでも上手くいかなかった際は、何がいけなかったかを振り返ることで、失敗に思えるようなこともむしろ成功に近づいていると思います。

■(株)瀬戸内百姓のこれから

私は尾道にいる若い世代に常に目線を置いています。小さい子どもであれば、後継者として活躍する人がいることは、その地域が稼げる場所であることを示せるかもしれないと考えながら、良くも悪くも印象に残るような活動を心がけています。
これからは、もっと人が育っていき、地域が一緒に伸びていける会社を作りたいと思っています。今までのビジネスにないものを作り、前例のないことでも、それを常識に変えていけるような会社をつくり、皆んなで尾道を盛り上げていけたらと思います。

 
<実行委員会より>
山岡氏のご講演を通し、柔軟な発想力、前例のないことに飛び込む行動力を学ばせていただく貴重な機会となりました。

<会社概要>(株)瀬戸内百姓
設立:2021年
資本金:100万円
事業内容:農産物の加工流通、業務用商品の開発
HP:https://www.kaijulemon.com/

怪獣レモンの成り立ち:収穫された全体の4割が外見に傷があり、廃棄・加工用に半値以下で取引されていました。そのごつごつとした見た目から「怪獣レモン」と名付けられました。