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2025.11.25

「ありがとうございます!あとは這い上がるだけ」中⑨地区会

開催日時:
2025/10/15(水)
会場:
aruhi_morinonaka
人数:
49名
報告者:
装進(株) 代表取締役 金澤 慎悟 氏
文責者:
(株)シーズ 平川 清高

金澤さん(43歳)は、広島市で塗装業を営む装進の代表です。ハーレーを愛し、「雲外蒼天(努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る)」を座右の銘とし、8年前に独立し個人事業から法人化。創業当初は勢いに乗り、初年度から売上2,800万円を達成し、2〜4年目で年商1億円に届くなど順調そのものでした。
しかし、好調期の後に突如訪れたのは「暗雲の5年目」でした。150世帯規模の分譲マンション工事を受注し、上半期は売上1億円を超える勢い。だが、女子社員の退職をきっかけに人手不足となり、仕事を断らざるを得なくなりました。

さらに、鍵の紛失や工期遅延、業務不履行などが重なり、発注主からの信頼を失ってしまいます。月商1,500万円あった売上は、わずか300万円にまで落ち込みました。
追い打ちをかけるように、社員の不正や融資詐欺にも遭います。社員に会社カードを貸したところ、私的に80万円を使い込まれ、さらに「1,000万円融資する」と持ちかけられた詐欺で250万円を失い、愛車のハーレーまで手放すことに。まさに修羅場でした。

それでも、金澤さんの心を支えたのは「社員の顔」でした。苦しい中でも懸命に働く仲間の姿を思い浮かべ、「何としても守りたい」と奮い立ちます。創業当時の熱い気持ちを思い出し、再び歩みを始めました。
そしてもう一つ、大きな支えとなったのが「広島県中小企業家同友会」の仲間たちです。経営の悩みを相談できる場、人として成長できる学びの場、何よりも励まし合える「同志」の存在が、彼の再起の原動力となりました。

「人のありがたみを知りました。社員にも、仲間にも、本当に感謝しています」と、例会中に発したその言葉に、金澤さんの経営者としての覚悟と、人を大切にする温かさがにじんでいました。 今、彼の視線の先には、再び輝く青空が広がっています。