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2026.01.20

2025年度 役員研修大学 第4講「採用と共育で強靭な会社づくり」

■経営理念の浸透

(株)トヨコンは、愛知県で包装資材及び物流機器販売、包装設計、システム開発、倉庫管理業務、梱包業務、組立事業を行う会社です。私は、1993年に㈱豊梱へ入社、2003年に代表へ就任しました。
同友会は2003年に入会。当時の会社には、言われたことはしっかりとこなす、真面目な指示待ち社員が多数存在していました。私は、経営指針成文化と作成の手引きを学び、経営理念の作成に着手しました。キーワードには、「自主的社員」(自発的で主体性を持った社員の教育)を入れました。翌年1月の新年挨拶会で、経営理念を発表。私は恥ずかしさから小声で読み上げ、社員は俯いて話を聞いており、理念が伝わった感触は無く、暫く理念は封印しました。

社長に就任した際、一社依存度は85%、社内平均年齢は45歳を超えていました。そこで、右腕の幹部社員と中期方針を作成しました。①5年以内に、売上を下げず一社依存度を50%以下にする、②採用に取り組み平均年齢を下げる、という2つの目標を立て、すぐに中途採用に取り掛かりました。ハローワークやアルバイト、派遣社員から明るく元気な若者を多数採用しました。そして、自社の強みを、包装と物流に絞り、アウトソーシング先の選定営業を開始しました。
間もなく、同友会からインターンシップのお声掛けがあり、学生2名の受け入れを行いました。経営理念を説明すると、「良い理念ですね。感動しました!」と言われました。社員に理念を浸透させる前に、経営者自身が経営理念に心から共感でき、自信をもって話すことが重要だと感じました。

■新卒採用への挑戦

インターンシップを行い、社員が学生に教えることの楽しさと難しさを感じているのを見て、2005年に本格的に新卒採用を開始しました。5名に内定を出すも3名から辞退があり、選んだつもりが選ばれることを実感しました。2007年、採用活動に関わる人数を増やし、7名が入社。採用に関わる社員も、仕事への誇りとやりがいを答えたりしているうちに、段々と自分事として捉えてくれるようになりました。4月新卒入社、7月指針発表会、8月インターンシップの実施というサイクルができ、少しずつ社内風土も変化していきました。
2008年、リーマンショックの影響で売上が30%落ち込みましたが、新規取引先を増やし1社依存度は55%まで下がりました。しかし、2009年夏、他社の半年遅れで仕事が急減。助成金の申請、休業の実施、早期退職を募り7名が退職しました。人を大切にする経営とは名ばかりだと深く反省しました。

■理念共感型採用への転換

2014年、分社化していたグループ会社「梱包会社」「包装資材・販売会社」「システム・包装設計会社」を合併しました。一時縮小していた新卒採用を再開するべく、当時60%だった離職率を減らす方法を検討しました。プロセス通りに入社した社員は離職しにくかったことから、理念共感性の高い社員の定着が高いと定義しました。以降、経営者自らが学生と向き合う理念共感型採用の強化を実施。経営者が最前に立ち、理念を言語化し、ビジョンの伝達を行いました。
1年後、統合した3社の融合が進んでいませんでした。そこで、中堅社員15名を集め、プロジェクトを発足。包装資材商社という古いビジネスモデルからの脱却として、新事業の開拓を目的に立ち上げました。そこから提案されたのは、仕入れ価格1000万円の新しい顧客開拓方式の導入でした。連日社員が話し合う姿を見て、やってみろとゴーサインを出しました。若い社員たちがリスクに挑み、考え、意見を出しているのに、経営理念の行動そのものに対し、社長が認めてあげられないでどうするという思いがありました。社員の提案したシステムを導入後、「Sansan Innovation Award 2020」を受賞しました。少しずつ社員にも自信がつき、社員と理念を信じてよかったと感じています。
2014年以降、採用数42名に対し、在籍数39名、定着率93%と、採用方法を変えたことで定着率が上がっていきました。

■指針の実践による採用と社員教育

採用と社員教育は、経営指針の実践を通して、労使相互の信頼関係を築いていくことが大切です。同友会の「指針・採用・共育」は、時間管理のマトリクスでいう「重要度が高く緊急度は低い」位置にあると思いますが、実践を続けることでその価値を実感できると考えています。理念と指針を作成し、全社的実践を通して、経営者と社員が共に育ちあう会社を創っていきたいと思っています。

<会社概要> (株)トヨコン
設立:1964年  
資本金:1億円  
従業員数:184名
事業内容:包装資材及び物流機器販売、包装設計、システム開発、倉庫管理業務、梱包業務、組立事業
URL:https://www.toyocongroup.co.jp/