活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >役員研修大学2023 第8講 要旨 「同友会らしい役員とは? ~同友会で何を学び、どう実践するのか~」
2024.03.22

役員研修大学2023 第8講 要旨 「同友会らしい役員とは? ~同友会で何を学び、どう実践するのか~」

報告者:中同協 幹事長  中山 英敬 氏(㈱ヒューマンライフ代表取締役、福岡同友会相談役理事)

■同友会“らしい”役員とは

同友会“らしい”役員とはどのような役員でしょうか。それは「理念に基づいた行動をしているか」どうかにあります。役員は理念の体現者となることが、めざすべきところであり、役割です。
そのために、理念に基づき学びを日々実践することで、同友会運動と企業経営を不離一体のものとしていただきたいと思います。本日は、企業・地域・同友会づくりの観点から運動の成果を確認したいと思います。

■経営指針あってこその学び

まず、企業づくりの運動の成果です。未曾有の大不況と言われたリーマンショック、未曾有の大震災と言われた東日本大震災。企業への影響も、大変大きなものでした。しかし共通して、社員と共に経営指針の確認と見直しを、全社的に実践した企業の回復度合いが早かったという結果が見えました。そして、大企業がシャッターを降ろしている中、地域の商店は地域の人が生きるために必要なものを並べ、営業を再開し、中小企業の地域における重要度を確認しました。

同友会の学びは経営指針が無ければ、実践に生かすことが難しいです。実践とは「指針で掲げた企業像に近づくための成果の伴う具体的な行動」と定義しています。役員は、全会員が経営指針を作っているか、例会や企業変革PG等を使い、会員の実践の進捗状況が確認できる仕組みがあるか、検証をしてください。

■地域を元気にするための運動

次に地域づくりについて。経営環境改善運動の成果に、金融アセスメント法制定運動があります。バブル崩壊後、金融不安に一気に陥り、貸し渋りや貸し剥がしが横行しました。00年に運動を提起し、翌年には全国署名運動へ広がりました。僅か3年で100万筆を超える署名が集まり、1000を超える自治体の意見書が寄せられました。結果、金融アセスメント法は制定されませんでしたが、金融庁のリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプランが発表され、金融機関と向き合って話すことができる時代になりました。この経験は、私たちの運動は正当な声を連帯してあげれば国に届くという確信を持ちました。

また、日本経済の原動力は中小企業の発展にあり、国の経済政策そのものが中小企業を軸に大転換する必要があります。そこで、03年に中小企業憲章制定運動を提起し、10年に閣議決定されました。ここから金融行政の方針が、企業の数字重視から、事業性を重視する施策に大転換しました。

憲章の理念を各地域で実現するための中小企業振興基本条例制定運動も並行して行い、現在47都道府県692市区町村全自治体の41.3%まで広がっています。

私たちの運動は継続しながら発展し国を動かし、国を変え、私たちの地域を元気にしているのです。

■今こそ人間尊重の経営を

最後に、同友会づくりの成果です。コロナ禍に入り、20年は全国で1,874名の会員が減少しました。しかし、21年からV字回復をし続け、2年半で過去最高会勢も更新する勢いです。

それだけ、経営に困っている経営者がいるのです。難局に立って初めて本質が見え、人間尊重の経営の真の学びが今求められていると改めて感じました。

■地域づくりは企業づくりの王道

「企業づくりが手一杯で地域づくりを考えられない」と言われる方がいますが、地域課題を捉えるために地域活動に関わることは企業づくりの王道です。

地域課題を社員と調査し整理することで、会社の生きる道・ビジネスチャンスを見つけることになります。

また、現在地方では、都会への若者の流出が問題となっており、人手不足を嘆く経営者が沢山います。流出が進み、人手不足であることは間違いありません。しかし、採用できないのは会社に魅力がないからです。社会課題に事業として関わり、自社の理念を語ることができる社員の多い会社には若者が集まっています。

これは同友会にも同じことが言えます。役員には同友会の魅力である理念を、どう実践してきたか。実践の裏付けで語っていただきたいと思います。そうすることで、会は大きくなっていくのです。

(記:事務局 中野)