「踏み倒された1,000万円:生死をかけた俺がやった3つのこと」
- 開催日時:
- 2025/03/19(水)
- 会場:
- ひと・まちプラザ
- 人数:
- 64名
- 報告者:
- (株)TSL 代表取締役 辻田 秀樹 氏
- 文責者:
- 中9地区会 広報委員会 (株)シーズ 平川 清高


2025年3月19日、広島県中小企業家同友会の中9地区例会にて、(株)TSL代表取締役 辻田秀樹氏が自身の経営体験を行った。同氏は外壁、樋、板金、屋根工事を手掛ける企業を経営し、数々の困難を乗り越えてきた経営者だ。
「TSL」に込めた思い
(株)TSLの社名は、「TSUJITA(辻田)+LONG(末長く)」を掛け合わせたもので、「お客様と末長いお付き合いを」との願いが込められている。また、経営理念として「希望を強く持って生きる」ことを掲げており、会社経営にもその精神が色濃く反映されている。
経営の試練——400万円の未回収債権
辻田氏は1972年に福岡で生まれ、地元の屋根・外壁工事会社へ就職。その後、1998年に広島営業所へ転勤し、2012年に独立。開業当初は順調に見えたが、やがて大きな試練に直面することとなる。
ある取引先の売掛金が膨れ上がり、最終的に約400万円もの未回収債権が発生。加えて、650万円の仕事を請け負ったものの、入金が一切なく、資金繰りに苦しむ状況に追い込まれた。他の債権業者が支払いを諦める中、辻田氏は決して諦めず、弁護士を通じて回収に奔走。最終的に月30万円ずつの支払いを勝ち取ったが、結果、入金されることはなかった。
経営指針書の作成と未来へのビジョン
この困難な状況の中、辻田氏は広島県中小企業家同友会に入会。そこで「経営指針書の作成」講座に参加し、経営理念や10年ビジョンを策定することの重要性を学んだ。経営方針を明確化し、社員と共有することで、企業としての方向性が定まり、着実な成長を遂げることができた。
「安佐北区で地域No.1の企業へ」
現在、過去の苦い経験を乗り越え、辻田氏は「安佐北区で地域No.1の存在になる」という目標を掲げている。未回収債権1,000万円という試練を乗り越えながらも、黒字経営を維持し、会社を成長させ続けている。
辻田氏の発表からは、経営における粘り強さと、明確なビジョンを持つことの重要性が伝わってきた。これからも多くの経営者が彼の姿勢から学び、困難を乗り越えるヒントを得ることだろう。