「新田電業を遺したい〜家業から企業へ〜」広東地区会
- 開催日時:
- 2025/06/11(水)
- 会場:
- シシンヨーオークアリーナ
- 人数:
- 40名
- 報告者:
- (有)新田電業 新田 豊明 氏
- 文責者:
- 東部飲料(株) 白井 健人
(有)新田電業は1982年創業、1994年設立、社員数4名の家族経営の企業です。工場向け電気設備工事や電気設備のオーダーメイドを手掛けており、取引先は約200社、主要仕入れ先は50社にのぼります。売上げ比率は制御盤配電と電気工事が半々、その他が5%です。
高校を卒業後、別会社で修行を積んで2008年に新田電業に戻ってきた新田氏は、少しずつ責任感と覚悟が芽生えていく事になります。
3日間徹夜となった大仕事はとても大変だったが、父とのよき思い出として今の新田さんの支えとなります。些細なミスと施主の強引なやり取りで大赤字を出した現場もありました。弟が会社を離れてしまたったり、仕事が少ない時期には、漁師として副業を行うこともありました。同友会は2010年入会もしばらくは出ない日々が続きました。

2016年には体調不良を訴えた父が余命半年の宣告を受け3ヶ月で他界。なんとなく「やらんにゃいけん」と思って入った新田電業でしたが、父が残してくれた信頼できる取引先とこの会社、「俺がやりたい」と奮起、母が代表取締役となり、他社で働いていた兄も迎え、新田電業再出発の年となりました。
2017年には弟が再入社し、各々の得意分野を活かして業務の役割分担を行い、売り上げも増加。自社商品の開発にも着手するなど順調に成長を続けました。2021年には長年断り続けていた青年部にも入会。同年代の経営者から刺激を受け、自身・自社ともに成長は続けます。
2023年には兄が社長に就任。それまでの役割分担を維持し、スピード重視の経営に徹し、昨年は初めての売上1億円を達成。
新田電業の強みは、兄弟の結束力と現場力、少人数ならではのチームプレイと語る新田氏。今後の課題としては、年単位の計画的な仕事の受注や人材不足、社員教育の対応を挙げながらも、2030年までに年商2億円、従業員6名を目指し、自社開発機の製作や機械設計の強化を図ります。
報告の最後は、「自分自身がもっと同友会を活用し、社会になくてはならない存在になる事を目指す」と宣言して締め括られました。