「GRADATION！～咲き誇れ、じぶん色、みんな色」第28回女性経営者全国交流会に参加

「咲き誇れ、私の経営～未来を拓く、継ぐ、支える、そして揺れる～」

◼1日目：分科会
◼第1分科会 | 広島 | 経営者の覚悟
◼テーマ：「咲き誇れ、私の経営～未来を拓く、継ぐ、支える、そして揺れる～」
◼報告者：大西 奈々　氏、木山 恭子　氏、原 さゆり　氏
◼座　長：村井 由香　氏

音楽界から建築界へと転身した大西さんは「人生はアンサンブル」と父の作った理念をベースにメロディーは従業員の声だと向き合いつつ、父が開発した技術への誇りと新体制を築くための葛藤をまとめていく指揮者のようであった。他人から事業継承した木山さんは「経営は値決めだ」とシンプルかつダイレクトに自社の数字に切り込む。初めは眼前の仕事に気を取られ独り悪戦苦闘したが、前経営者と向き合いつつ自らが運転席へ交代し、組織を価値に見合った対価を得る体制へと舵を切る。

原さんは「花の道はいばらの道、いける姿は生きる道」ご両親の背中を見て育った彼女が「時代のせいにしていては生き残れない」と敬愛する二人の価値観に真っ向勝負。店売りだけに頼らない新事業への模索と母の顧客に拒否される恐怖を乗り越えられたのは科学的根拠を指針書に込め実践できたからだと報告。
後継者である3名の発表はテーマ通り、先代という土台の上で揺れながらも覚悟し変化しながら花開く新時代の美しさを咲き誇らせた。
記：（株）菊貞　菊崎 伊久江

「この会社が好きだから～愛と行動で未来を創るリーダーシップ～」

◼2日目：全体会（記念講演）
◼テーマ：「この会社が好きだから～愛と行動で未来を創るリーダーシップ～」
◼講師：（株）船橋屋　代表取締役社長　神山 恭子　氏

初日は11の分科会が大いに盛り上がりを見せ、2日目には1805年創業の老舗和菓子店・船橋屋（東京都江東区）の神山恭子社長が記念講演「この会社が好きだから　愛と行動で未来を創るリーダーシップ」を行った。
神山氏は就職氷河期、どうしても船橋屋に入社したいとの強い思いから、全店舗を回ってレポートをまとめ、面接に臨んだという。その後、入社当初には孤立やいじめも経験したが、持ち前の行動力で通販事業の立ち上げや新卒のネット採用などに尽力。社内環境の改善に取り組んだ。

2017年には社員総選挙で過半数の支持を得て役員に就任し、2022年には創業200年以上の歴史で初めて創業家以外から代表取締役社長に抜擢された。
講演では「女性だからこそ、40代だからこそ、創業家でないからこそ、できることがある」と信念を語り、伝統の承継と革新を両立させながら、次世代に向けた土台づくりに挑んでいる。
記：（株）アリショウ　戸嶋 智子