「経営フォーラム2025に参加」中②地区会
- 開催日時:
- 2025/10/07(火)
- 会場:
- リーガロイヤルホテルほか
- 人数:
- 中②地区会から17名
- 報告者:
- 認定NPO法人Homedoor理事長の川口加奈氏ほか
- 文責者:
- (株)ナカオカ 中岡 英也
10月7日(火)にリーガロイヤルホテル広島にて行われました「第38回広島県経営研究集会 経営フォーラム2025」へ参加しました。基調講演に登壇されたのは認定NPO法人Homedoor 川口氏。まず同じ経営者として最も心を打たれたのは、生育格差という新たな課題に対し、3億円の借金を背負ってでも解決に挑む姿勢。私も含め、多くの経営者は“リスクを最小限に”を考えて行動すると思いますが、川口氏は違いました。年間1,000人以上の相談から見えてきた「生まれた環境から抜け出せない若者たち」という本質的課題に対し、既存の支援では不十分だと判断。大きな借金というリスクを取って新施設をオープン。この判断は、売上目的ではなく、社会性を最優先した経営判断。目の前の数字だけを追っていては見えない、本当に解決すべき課題とは何か。そして、それに向き合うために必要な覚悟と行動力の話を聞き、大変刺激になりました。ビジネスの世界でも同じです。顧客の表面的なニーズだけでなく、その奥にある本質的な課題を見抜き、時には大胆な投資判断が必要になる。川口氏の挑戦は、経営者として「何のために事業をするのか」を改めて問い直す機会となりました。
また、その後に参加した第3分科会は株式会社西川組・髙重直文氏と有限会社ベルエール・金口志織氏のW講演。印象に残ったのは、「経営指針書は従業員とともに作り、ともに実現するもの」という実践哲学でした。経営指針書を作るものの、多くの会社は社長の想いで終わってしまうケースも少なくないかと思います。しかし金口氏は、とあるキッカケで成文化の過程で従業員を巻き込み、「私たちの未来」として共有することで、組織全体の推進力を生み出しました。


一方、髙重氏の10年ビジョン実現の事例からは、長期視点での一貫した実践の重要性が浮き彫りに。指針書は作ることがゴールではなく、日々の経営判断の羅針盤として機能させてこそ意味があり、「ビジョンを語れるか」「それを組織全体で共有できるか」「実践し続けられるか」というメッセージが印象に残りました。指針塾オブザイヤー受賞者の生の声は、理想論ではなく「どう実践したか」という具体論が聞ける貴重な機会。明日からの経営に活かせるヒントが満載でした。