活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >「経営フォーラム2025に参加」廿日市地区会
2025.11.26

「経営フォーラム2025に参加」廿日市地区会

開催日時:
2025/10/07(火)
会場:
リーガロイヤルホテル広島ほか
人数:
廿日市地区会から8名
報告者:
基調講演:認定NPO法人Homedoor 理事長 川口 加奈 氏、第1分科会:ペアコム(株) 代表取締役 梨木 彩加 氏
文責者:
基調講演:(株)エイコー 荒川 有佑、第1分科会:Relaxation salon Neru 三浦 真代

基調講演「社会起業家として生きる。〜19歳でホームレス問題を解決しようと決意した〜」

「貧困問題についてどう感じていますか?」川口加奈氏の基調講演は、そんな問いかけから始まりました。
川口氏が貧困に関心を持った原点は、14 歳のときに通学途中で目にした大阪・釜ヶ崎(あいりん地区)の光景でした。母親に「降りてはいけない」と言われていた場所へ足を踏み入れ、日曜の炊き出しで「たった一個のおにぎり」を求めて並ぶ人々を目にした瞬間、衝撃を受けたといいます。当初は「働けばいい」「努力してこなかったのでは」と考えていたものの、話を聞くうちに 「努力する以前に選択すらできない環境」がある現実に気づいたと語ります。

高校時代、ホームレス襲撃事件の記事を読み、加害者の「ゴミ掃除をしただけ」という言葉に憤りを覚える一方、「自分とその人の違いは『問題を知っているかどうか』ではないか」と感じたそうです。「知った側には責任がある」。その思いから学校で呼びかけを行い、炊き出しボランティアには 20 名を超える生徒が参加。この経験が現在の活動の礎となりました。

川口氏が出会った多くのホームレスの方が口にするのは「働きたい」という言葉。しかし、住所がないことで就職も生活保護申請も困難――仕事・住まい・貯蓄の“三重の壁”が存在しています。
そこで、彼女はホームレスの方々の自転車修理技術に着目し、大阪版シェアサイクル「HUBchari(はぶちゃり)」を立ち上げました。放置自転車問題とホームレス問題という2 つの社会課題を同時に解決する仕組みです。

当初は行政や企業に断られ続けましたが、試験運用がメディアで注目され、賛同者が増加。現在では大阪ガスや行政とも連携し、就労の場として定着しています。活動は「認知」「暮らし」「働く」の 3 本柱で展開され、夜回り活動や生活応援施設「アンドセンター」、就労支援事業など多角的に支援を続けています。近年では相談者の若年化が進み、10〜30 代が半数を占めるとのこと。中卒率は全国平均の10 倍に達し、虐待やひとり親家庭など背景も複雑です。

「貧困が次世代に再生産されている現実をどう止めるかが課題」と川口氏は語ります。彼女がめざすのは、「誰もがもう一度やり直せる社会」「挑戦と失敗が許される社会」。そして、「モチベーションではなく責任で動いている」と力強く語りました。 「知ってしまったからには、知ったなりの責任を果たす」という言葉に、会場の多くの参加者が深く心を動かされたのではないでしょうか?

私はこれまで、貧困問題について考えたことはありませんでした。なかったというより、目を向けることがありませんでした。日本という環境に住み、生活保護制度がある中で、なぜわざわざホームレスを選択するのか?川口氏の最初の思いと同様に、これだけ求人がありふれているのに、選り好みをして言い訳をしているだけでは?という思いが今も少しあります。しかしこの例会を通じ、なるべくしてなっているのではなく、環境の問題もあるということを知ることができました。今まで目を向けていなかった、貧困問題について目を向け、考え、経営に携わるものとして何ができるか?を考えていかなければならないと思えました。

最後になりますが、私たちは「知った人としてどう動くか」を問われています。社会の中にある見えない壁を少しずつ低くしていくこと。それこそが、私たちにできる最初の一歩なのかもしれません。

第 1 分科会「だから私は動き続ける〜私と会社を変えた同友会活動〜」

お父様から承継。1 社依存体質の経営、売上の低迷など課題ばかりの中、同友会に入会。「経営者の仕事は何ですか?」「なぜ利益を残さないといけないのか?」という問いにも最初は答えられませんでした。そこで全国の同友会会員さんの会社へ勉強しに行きました。厳しい言葉も沢山いただきましたが、とにかく会社に持ち帰っては実践しました。
承継したばかりの頃は、社員さんの為にと思い、社内にレンジを置く等社員さんの困りごとを解決しようと顔色ばかり伺っていました。しかし今は一生懸命働いてくれている社員さんへの心からの感謝に変わり、社員さんが働きやすい環境を整えている。すると社員さんも主体的に動いてくれるようになりました。社長が変われば社員も変わる。それを素直に実直に体現されていた熱い報告でした。

グループ討論テーマは①あなたはだれのなんのために経営していますか?②あなたは同友会活動をこなすだけになっていませんか?の二つ。
① については自分、社員さん、家族の幸せの為という意見が多くだされました。②についてはこなしている人、こなしていない人両方の意見があったがこなしているだけ=本気本音で向き合えていないということだと思いますので、同友会を活用するには本気本音が言える仲間作りが大事だと学んだ討論でした。普段会わない支部の方とも討論しグループ発表も様々な意見が飛び交い盛り上がりました。