「自ら学び、自ら動く 〜経営の原点と未来への覚悟〜」広島西支部佐伯地区会・廿日市地区会
- 開催日時:
- 2025/11/07(金)
- 会場:
- 佐伯区民文化センター
- 人数:
- 80名
- 報告者:
- イノベートリンク(株) 代表取締役 亀山 侑始 氏
- 文責者:
- (有)藤岡保険コンサルタント 藤岡 徹也
廿日市地区会・佐伯地区会の合同例会を開催しました。80名を超える参加者が集まり、そのうち約20名は初参加のオブザーバーの皆さんでした。会場は熱気に満ち、亀山氏による報告に、多くの参加者が真剣に耳を傾けました。
氏はもともと独立志向が強かったわけではなく、会社員として勤務する中で参加した異業種交流会で、夢を語りながら挑戦し続ける経営者との出会いに衝撃を受けたことが独立の原点となったと話しました。さらに、友人であるホテル経営者から「あなたの業界はお客様を置き去りにしている」という言葉を投げかけられ、自分ならもっと価値を届けられるのではないかと感じ、2019年9月に2名で創業を決断しました。
当初は管理会社からの仕事が入る見込みもあり、5名体制で順調なスタートを切るはずでしたが、創業直後にその仕事が突然白紙となり、状況は一変しました。

月100万円の赤字が続き、わずか数ヶ月で資金繰りが破綻寸前となる中、税理士から「会社を残すのか、社員を残すのか」という厳しい二択を突きつけられ、苦渋の決断として3名の退職を告げた経験を語りました。その中には学生時代の先輩もおり、人間関係が壊れ、心が折れそうになるほどのつらさを感じたと振り返りました。「自分は一体何をしているのか」「独立などすべきではなかったのではないか」という問いが頭を巡る中、奥様から「社長が元気じゃないと会社が暗くなるよ」と声をかけられ、その言葉に涙が溢れた瞬間が再起の出発点となったと語りました。

最も苦しい時期に心の支えとなったのが同友会の例会であり、「人を辞めさせてはいけない」という先輩経営者からの言葉が胸に深く刺さり、逃げずに過去と向き合うことで経営者としての覚悟が強まっていったと述べました。3名の退職後は2名で再スタートし、売上は不思議と回復していきましたが、今度は採用の難しさや教育体制の不十分さといった新たな課題が表面化しました。面接で出会った応募者を採用しても定着せず、「採用とは、人数を増やすのではなく志を増やす営みである」という学びを得られたと話しました。
さらに、経営指針書づくりに挑戦したことで経営の軸が明確になり、「赤字は恥ではなく未来への投資である」という先輩からの言葉に勇気づけられ、社員にすべての数字を公開する経営へと転換しました。これにより、社員が自ら考え行動する文化が徐々に根づき、「亀ちゃんの会社はみんな社長みたいだね」と顧客から言われたことは、何よりの喜びであったと語りました。
近年では、家族の経験を原動力に就労支援事業へも挑戦し、その中で初めての新卒採用を実現しました。今後は本業においても新卒採用をめざし、高校との連携やインターンシップ受け入れ、SDGsや健康経営の認定取得にも取り組むなど、挑戦の幅が広がっています。
報告の最後には、「最高の職場環境をつくり続け、これから出会う仲間の未来を守りたい。あの日守れなかった3人のことを忘れず、社員の夢に共に走り、選んだ道を正解にする。それが経営者としての責任です」と静かに、しかし力強い決意を語りました。

本例会は、失敗から逃げずに学びを行動へと移し、仲間と未来をつくる姿こそ「人を生かす経営」であることを深く実感できる場となり、多くの参加者に勇気と学びを与える貴重な時間となりました。