同友ひろしま/2024年/1月/News

激動の内外情勢と中小企業の生きる道~2024年は世界が動き出す「転換期」始動、どうする中小企業~ 県理事会情勢勉強会

講師:(有)第一コンサルティングオブビジネス 代表取締役  丸山 博 氏

■「戦争と紛争」、分断の時代へ

まず、24年の世界を展望した時の政治情勢として、重要なのは戦争と紛争です。ロシア・ウクライナ戦争と中東紛争がお互いに影響し合い、沈静化ではなく、より拡大する方向に動いているのが、23年の状況です。
そして大切なのは、世界は2極化ではなく3極化してきているということです。普段テレビの報道だけを見ていると、「G7に代表される民主主義勢力」対「中国・ロシアなどの強権主義勢力」の2つに分かれているように感じます。しかし、世界の報道を冷静に見ますと、この勢力の間に「中立を行動規範とする、インドや東南アジアを中心とした勢力」が出てきました。中立とは言いますが、自国の利害によってどちらとも交友を持つ勢力です。そのため戦争・紛争は、自国・自民族の利益を最大にすることを先に考え、世界平和は後回しという時代が来てしまいました。
さらに、この戦争とコロナで、供給の分断による資源高が起きました。資源高も基本終わりません。下手すると、この悪い物価高が当たり前の時代だと思わなければいけない。そんな時代が始まります。

■投機が経済を動かす

また、24年は重要選挙が世界各地で行われます。もちろん最注目はアメリカ大統領選挙です。24年はアメリカの大統領選挙を巡って動いていきます。世界が動向に一喜一憂し、それにより株価や外国為替が微妙に変動することが特徴となりそうです。なぜ大統領選挙が株価や為替に影響するかというと、現在の株価は経済の情勢を反映しません。「投機」の行動が株価を左右するのです。つまりはギャンブルです。さらに言うと、円高や円安、外国為替も、日銀による異次元の金融緩和政策により、投機の対象になってしまいました。全部ギャンブル経済であり、読めないので、アメリカの大統領選挙に一喜一憂して、株が上がったり下がったり、外国為替、円高に振れたり円安に振れたりというのが24年に想定されることです。
同時に、アメリカと日本とヨーロッパにおける金融政策が転換しそうな状況です。金融政策は特に、金利の上げ下げのところです。金融政策が為替にも影響し、株価にも影響するという時代に私たちは生きているということを深く認識をしておかないといけません。そうすると、超円安にも変化が生じる可能性があります。

■デジタルが既得権を破壊する!

24年はDXやデジタルが良い意味でも悪い意味でも私たちの生活を変えていく可能性があります。常識だと思っていたことが非常識に、非常識だと思っていたことが常識になるのが、目に見えるようになります。
これまで、商売やビジネスは情報の非対称性が付加価値でした。例えば小売業ですが、どこに行けばこの価格より安く買えるかということを知らないから、お客さんは買っていました。今は瞬時に分かるようになりました。ですので、売る側よりも買う側の方が情報をもっている時代へと変わっているのです。
また、24年はチャットGPT本格活用の元年でもあります。活用したものが勝つ可能性があります。チャットGPTは検索機能だけでなく、文書・調査提案書まで作ることができます。
チャットGPTは優秀な補助者を採用したこととほぼ同じであり、事務員の仕事は代替される可能性があります。どんどん置き換わってくるということは、今まで社長が一人で一生懸命やっていた会社は逆にチャンスです。チャットGPTに任せればいいのです。デジタルが仕事の仕方そのものを変えていきます。

■人材獲得競争の時代、選ばれる会社になる

1番の変化は採用です。現在の就活はウェブ活用が当たり前です。労働条件次第では検索に引っかかりません。例えば、年間休日が110日に到達していない会社は検索にすら上がってきません。労働条件で足切りされる時代なのです。
採用もマーケティング活動です。売り上げをあげるのと同等かそれ以上の工夫と努力で採用活動に邁進しなければいけません。
これから社員になってくれるかもしれない方たちに、選ばれる理由を並べることができますか?
並べることができたら、それを上手に発信してください。ホームページだけではダメです。ホームページへの入口としてSNSを強化しなければ特に若者はたどり着きません。

■「自主、民主、連帯の精神」を社内の風土に!

そして、同友会がめざしている「自主、民主、連帯の精神」を社内の風土に持ってきましょう。
自主は社員一人一人が自主的に考えるという習慣です。民主は、決め事はなるべくみんなで決め、決めたことは守らせるということです。そして連帯は、違うところは違うとして認め合い、一致できるところで協力し合うという精神です。
これらを社内の風土に持ってくるためには、会議、勉強、話し合いの仕方を同友会から学べば良いのです。
だからこそ、「みんなちゃんと例会に参加しないとダメだよね」「同友会に学べば簡単にできるようになるよ」ということを会内に伝えていってください。

■中小企業の生きる道とは

これからの時代は、生き残ろうと思うと生き残れません。勝ち残らなければいけません。あるいは、生きる道を探さなければいけません。
今まで頼りにしてきたこと、今まで当たり前だと思っていたことが変わったのであれば、それに対応していかなければいけません。
そんな時こそ、原点に立って考えましょう。その時代・お客様が求めているものが必ずあります。そこに着目して、掘り進めなければいけません。
ですので、今こそ「不易流行」と「温故知新」です。
不易流行とは、変えてはいけないモノ(理念)と、変化に対応していくコト(戦略)をしっかり定めるという意味です。私たちの会社は、一体誰の何のためにあるのか理念をしっかり定め、戦略はどんどん変化させていかなければいけません。
そして、その戦略を考えるときは温故知新です。歴史に学ぶのです。過去にどういったことがあり、私たちの業界はどういう過程を通じて今の業界になったのか、ということをしっかり認識をした上で、変化させていく必要があります。

■チャンスは必ずある!!

チャンスは必ずあります。我々の最大の強みは「小さい」ということです。その気になれば変化対応が比較的容易にできます。お客さん側が商売、仕入れ、買う相手を選ぶ時代なのであれば、選ばれる側に立てば、勝ち残っていけるのです。
そして、我が社にはオリジナル商品がないと言われている方。自社商品がないから売れないというのは勘違いに過ぎません。成長している中小企業にあるのは、「対応力」と「スピード感」です。お客さんには、たとえ早くなくても、早いと感じさせれば良いのです。そのためには対応力が必要です。例えば、業界が当たり前のように見積もりに3日かかっているのであれば、その日のうちに見積もりをするような会社になれば、それが強みになります。

■今こそ、経営指針の成文化とその実践を!

そして、これらを統合的に取り組むには、やはり経営指針のリニューアルを行い、本気で実践していくということしか、早道はありません。早道を求めたければ、もう一度経営指針に立ち戻る。そういったことがこれからの時代に必要ではないかと思います。

記:事務局 中野

広島県中小企業家同友会

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