「人はなぜ運動しないのか?~良いサービスが世の中に流行らない理由を考える~」南①地区会
- 開催日時:
- 2025/10/21(火)
- 会場:
- ひと・まちプラザ
- 人数:
- 42名
- 報告者:
- AIメディカルフィットネスクリニック 代表 林 大介 氏
- 文責者:
- (株)ミライワーク 前田 裕生
南①地区会10月例会(社外取締役(重役)例会)を開催しましたので報告いたします。
南①地区会や他地区会から約40名の方に参加いただきました。

皆さまのおかげで、議論は活発に行われ、かなり多くの意見を出していただきました。
「サービスのターゲットが絞れていない」「戦略が場当たり的」などの厳しいご意見、自社と連携したい、知り合いの企業を紹介したいなど積極的な協力をいただけるご意見など実践につながる貴重なご意見をたくさん頂戴して、報告者にとって持ち帰るものが多く、有意義な例会となりました。
報告者からは、早速意見を検討して、必ず成長していきますという心強い言葉がありました。
また、参加者の皆さんは、健康意識が高くなった、運動の必要性を改めて感じたなど、自社従業員や自分自身の健康に目を向ける貴重な機会になったとのことでした。
【報告者の背景】
アパレルショップ店員とパーソナルトレーナーのキャリアを持つ報告者は、糖尿病患者の足の切断などに携わる整形外科医:青木医師と出会い、青木医師の「病気を未然に防ぎたい」という思いから生まれた「運動特化型クリニック」に共感し、代表として主に営業や企画、WEBマーケティングを担っています。
代表という肩書ではありますが、実態は青木医師に雇われている従業員です。
そして、業務のすべてが未経験のことでありながら、
これまでの2年間は、主力サービスである「運動処方箋」の収益拡大に尽力してきました。
ところが、自分の人件費を賄うほどの売上が確保できず、戦略の転換を迫られています。
【主力商品の低迷と戦略転換】
運動処方箋は、糖尿病などの生活習慣病やメンタル不調などの運動療法が必要な疾患を抱える患者に対して、医師が運動をクスリとして処方する国の制度です。オンラインでも処方することができるため、国内全体を市場としています。
具体的な運動メニューを処方して、運動施設(スポーツジムなど)で運動した場合、その利用料が医療費控除になるという保険適用外の制度です。
非常にユニークなサービスではありながら、思うように処方数が伸びていきません。
制度の認知度が低い、医療費控除の金銭的メリットが少ない、運動施設が少ない、保険適用外のため医師がやりたがらないなど、
事業拡大が難しい要因が様々あります。
また、そもそも最も大きな問題は、「面倒だから運動をしない」という多くの人の共通の気持ちでした。
そこで考えたことが、運動処方箋に加えて、産業医サービスを主力とするBtoBビジネスへ注力することでした。従業員の運動を活性化させることができ、健康経営に積極的に関与することを強みに、会社の規模を問わない産業医の義務化という法令改正を追い風にして、事業拡大を目指すプランをもっています。
【グループ討論テーマ】
テーマ①発表で良かったところ、今回の例会で自社に持ち帰れることは?
テーマ②林さんの事業に対してのアドバイスをお願いします。(今後の方向性についての懸念点や改善案、新たな事業のチャンス、こんなサービスなら使いたいなど、なんでもOK)
テーマ③貴社もしくは他社とのコラボレーション・連携についてのアイデアがあればお願いします。
参加者のご意見をアンケートから抜粋してご紹介します
テーマ①について
・社内健康診断の結果を個人に任せず会社として関与していく必要性を感じた
・運動することで仕事がはかどること、生産性の向上を知った
・自社の問題点を隠さず発表していて好感が持てた
・リモート企業なので運動を推進したい
・報告者の熱意を感じました
・産業医の必要性を感じました。
・人の役に立つという視点で事業を考えたい
テーマ②について
・運動処方箋を出した後をサポートするサービス
・仲間と一緒に運動できる場づくり(オンラインで同友会の他社と一緒に)
・自社WEBサイトを産業医サービスを前面に出すようにする
・もっと単価の高い仕事を取ることに使った方がいい
・同じ血糖値同士でペアを組んで励ましながら運動するサービス
・GLP1を比較的安価で売っていく
・プロテインの定期購入サービス
・糖尿病患者の専門ジムをつくるなど自前のジムを作る
・企業のリスクヘッジという観点からの産業医サービスのプレゼンテーション
・Youtubeで糖尿病の恐怖を広める活動を行う
・スポーツチームを作る
・産業医サービスを中小企業に広めるのは正直難しいと思う
テーマ③について
・運動療法での福祉サービスとの連携
・知り合いのスポーツジム経営者を紹介したい
・飲食店と炭水化物なしの料理メニュー作り
・住宅販売店やリフォーム会社と気分が上がる部屋づくり
・受診後の生活アドバイス無料サービス
・習慣改善、食事療法、運動指導などのための合宿サービス
・営業会社なので連携したい
・自社と顧問医契約をしたい
・自店のお客様、開業医の方を紹介させてもらいたい
・barで健康相談するお客様を紹介してもらう など
【例会終了後】
報告者は、懇親会会場にはすぐに移動せずに、例会のみの参加者もいたため、会場にて丁寧に参加者と対話して、少しでも多くの人に事業を知ってもらおう、多くの意見を持ち帰ろうという姿勢で、最後までお見送りされていました。
報告者の本気度の高さが表れておりました。
会員の皆さまには、ぜひ報告者の今後の事業発展にこれからもご協力していただけると幸いです。
この報告を読んで、何か思いついたことがある方、ご質問がある方、ご関心がある方、報告者本人または南①地区会A班班長の前田までご一報ください。
最後になりますが、今回の例会の準備期間では、10回の班会議を重ねました。
報告者もまさに生みの苦しみを味わいました。しかしその結果、報告者の目的達成といえる多様で実践的な意見をたくさん持ち帰ることができました。社外取締役(重役)例会を企画することの難しさと面白さを両方感じた例会となったことを申し添えさせていただきます。
ありがとうございました。