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5.《尾道支部例会》50年先を目指して~事業継承のために何をするのか~

報告者:フジタ㈱ 代表取締役専務 矢野三佐枝氏(尾道支部)

 藤田商店は1916年(大正5年)、海産物問屋として創業しました。1952年に法人成りし、二代目の時に雑穀も扱うようになりました。1974年、土堂から、現在会社がある東尾道のベイタウンに移転しました。
 1980年、仕入れ先であるホクレンと正式に契約し、直接取引が始まりました。この契約は審査がとても厳しく、中四国で4社のみです。

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報告者 矢野 三佐枝 氏

就職、結婚退職、復職
 1982年、前任者の退職の穴を埋める形で、私が入社しました。当時、会社の事務所には、二代目、三代目と三代目の奥さんがおられ、私だけ唯一の他人でした。仕事を教えてもらいながら、仕事がスムーズにいくようにサポートしようとつとめました。
 就職6年半後に結婚退職しました。退職したことを後悔しておりましたが、三代目の奥さんから来てほしいと言われ、即答で復職しました。

現社長との二人三脚
 三代目と奥さんから、仕入れ、販売、値段、運送、求人の面接、給与賞与など様々なことを相談され、信頼されて毎日楽しく仕事をしました。三代目と私の父が友達だったことが、他人の私を信用してくれた要因だったかもしれません。
 1997年、現社長である天藤が入社しました。天藤は当時、取引先として出入しており、まじめで誠実そうな人柄を三代目の奥さんがたいへん気に入り、勧誘しました。
 天藤は、良く働き、なんでも習おうという姿勢でした。私も習った知識を教え、また、二人で三代目から仕事について教えてもらいました。
 私と天藤はタイプがちがうものですから、よく衝突しました。利益を確保したい私、将来を期待して、まずは注文をとりたい天藤。
 考え方がちがっても、お互いに納得がいくまで話し合いますし、失敗に終わっても、責任のなすりあいにはなりません。
 うちの社員は向上心のある者が多く、効率の良いもの、生産性をあげそうなものを提案してくれます。新しいことを取り入れたい社長はすぐに賛成し、すぐに利益が生まれなくても、将来的なことを考え、実行に移そうとします。結果、効率アップで、会社にとても貢献しています。

いまあるものを大切にすることが未来につながる
 2000年ごろ、三代目から、会社を天藤と私に任せたいと言われました。他人なのに大丈夫だろうか、サポートする方が向いていると思いましたが、天藤との二人三脚ならやれると思い、お引き受けしました。
 三代目の商売のスタイルは、強い商品力があったので、お客様に対して横柄なところがありました。
 経営を引き継いでから、商品を磨き、一人ひとりのお客様を大切にすることに力を注ぎました。そのために、事務所と工場を新築しました。
 また、豆の販売を中心に据えながら、雑穀の委託生産など、それ以外の商品開発にも取り組みました。
 これからのことですが、お客様、社員とも、いまある人を大切にしていく、これが企業存続にとって、
とても大切なことだと思います。
 また同様に、いまある商品を大切にしていく、そのことが信頼となり、将来の商売につながっていくと思います。
 さらに、いまあるつながりを大切にしていく。今回このように同友会と出会い、おのみち帆布さんと商品の共同開発ができ、今日このように発表する機会を得ることができました。このつながりを今後も大切にしていきたいと思います。(文責 事務局 竹河内)
 
フジタ㈱URL http://www.fujita-beans.com/

※2016年4月21日 しまなみ交流館にて開催の尾道支部例会での報告06p2

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