同友ひろしまNews

農業の六次産業化の試みに学ぶ ~㈲トムミルクファームさんを訪ねて

 沖 正文 氏

 地域内連携推進委員会(永本清三委員長)は、11月16日、会員企業の有限会社トムミルクファームさんを訪ね、沖正文社長からお話をお聞きし、牛舎や堆肥場、カフェなどを視察しました。
 沖社長は3代目。就農した1980年に酪農専業となり、95年には家族労働から雇用労働型に移行、酪農を基盤とした耕種との複合経営をめざし、ジェラートの商品化をはじめ、酪農の体験学習の提供や飲食「まきばカフェ」など、6次産業に取り組んでこられました。牛を200頭飼育、従業員は15名です。お話のさわりをご紹介します。

食い入るように聞きました  

・酪農は糞の臭いなど、地域の嫌われ者。地域から必要とされる酪農にしていきたいと思っていた。堆肥(糞)で規模拡大をあきらめる人も多い中、堆肥のリサイクルに早くから取り組んだ。
・堆肥を60haの農家に肥料として使ってもらっている。このつながりから、農家に牧草に近い稲を植えて(33ha)もらって、牛に食べさせる事業、耕畜連携が始まった。
・飲食の事業で「経営革新計画の承認」をとったが、農業の制度に比べればとても簡単。農業の制度資金は厳しく、10ヶ年の返済計画必要で、追っかけられ、絞り出させられる。
・農業は、可能性はあるが弱い産業だと思う。しかし、あきらめたら農村が廃る。子や孫に地域を残すにはどうしたら良いか。地域がもっと連携するにはどうしたら良いか。
・中山間の経済をどうまわすか、市や農協、商工会がタイアップして、本当に必要なものを再構築していきたい。「地域おこし協力隊員」制度を活用し、人材を育成し、農村の魅力を確認することで新しい事業が起きる可能性がある。
・そんな思いもあって、商工会の副会長を引き受けた。農業を代表して発信し、行動したいと思う。
・1次産業者が2次も3次も事業を行うのは荷が重いし不効率。できれば、農業者は農業に徹し、生産された1次産品を、加工し、販売し、サービスするのは、皆さん方のような企業。その連携を地域で創っていきたいと思う。

 沖社長の高い理念に参加者の多くが共感し、また地域の存続を掲げて活動する決意を新たにした勉強会になりました。

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