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尾道支部オープン例会 柏原英輝の○○な話 ~ワクワク感がハンパねえ漢~ 柏原英輝 氏(㈱BRAST 代表取締役 千葉同友会)

■起業のきっかけ

 もともとはとび職人で、一八歳から働いており、当時はかなりの金額を稼ぎました。二二歳の時にトラック一台で職人だけの会社を立ち上げました。勢いで作った会社だったので、経営のことなど考えず仕事ばかりの日々。この先やっていけるか不安でした。
 そんなとき、大手企業から足場事業部をつくるから働かないかと誘いを受けました。これがターニングポイントでした。給料の少なさ、組織での働き方、お金の扱いなど様々な学びがありました。
 リーマンショックの時、自分の担当していた事業部が売られることになりました。とてもショックだったことを覚えています。そこで、もう一度独立しようと思い立ち、売却される事業部を買いました。これが今の会社になります。

■託児所のある会社

 社内託児所を始めたのは社員のためではなく、自分が困るからでした。会社には事務の女性が二人いましたが、同時期に妊娠。会社を辞められたらと心配でした。子育てで働けないなら、いっそ子供を会社に連れて来るようにすればいいと考えました。妊娠した女性も働きたがっていましたから、互いの意見は一致していました。託児所をつくったおかげで彼女たちは辞めないでくれたのです。
 そんなことから始まった託児所も今では規模も大きくなり、認可外保育園になっています。会社に子供がいる環境は自分や会社にとって良い影響を与えてくれました。

■女性雇用を始めたワケ

 ワールドカップでなでしこジャパンが優勝したとき、これからは女性の時代だと思いました。そこで女性社員の募集をしたら、足場の仕事がしたいという女性が入りました。それがきっかけで仕事を細分化していき、女性のできることはすべて女性に任せるようになりました。足場の仕事を女性がすることで会社のイメージアップにもつながっています。

■おふくろ食堂のオープン

 託児所のおかげで人が来るようにはなりましたが、依然として建設業界は人を採るのが難しいです。人を採るためにどこに投資するかを考えたとき、若者の偏った食事が目に付きました。また、託児所の小さい子供が毎日コンビニ弁当を食べている姿を見て、美味しいご飯が食べれる食堂を作ることにしました。食堂があることによって人が入りやすい環境になりました。
 おかげで新卒採用を始めてから毎年十人以上採用できるようになっています。

■沖縄ダイビング事業

 社員にダイビング好きがいました。ダイバーというのは夏には仕事がありますが、冬はありません。だから彼は仕方なく、足場の仕事をしていました。そこで会社の事業として夏はダイバー、冬は足場を仕事にすることを考えました。好きなことをやっているときの社員は、足場の仕事をしているときには見せない楽しそうな顔をするのです。
 このことから、人を辞めさせないようにするには、好きなことを仕事にするのが一番だと気付きました。そんな、社員が楽しく仕事をする事業を増やしていこうと考えています。足場で一生やっていくのは無理があります。うちに来たら色々なことができる。それがあるから足場を仕事にすることができるのです。好きなことを会社としてやっていけば、会社を辞めていく人は減るのではないでしょうか。 

■何のためにやっているのか

 今回紹介したようなことを、何故やっているのかというと、お客様のためです。
 商売はお客様のためにやっています。ではお客様は私たちに何を求めているのか?それは安全な足場であり、安全な足場を組むためにはしっかりとした職人が必要であり、しっかりとした職人を育てていくためには、人が辞めない会社にしていかなければならないのです。
 そのためにやろうと思ったことは何でもやります。ただし、必ず儲けも出さなければなりません。でなければ、新しいことに挑戦できなくなりますから。こうして辞めない会社づくりを続けていけば、良い会社になるのではないかと考えています。

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